くらし [特集]地域農業の将来を特集みんなで考える「地域計画」

■地域農業の将来をみんなで考える「地域計画」

◆このままでは地域の農地が維持できない!
~農地を取り巻く「出し手」と「受け手」が抱えるこんな悩み~
○農地の所有者など(出し手)
・農地を貸したいけど誰が借りてくれる?
・後継者がいないし機械が壊れるまでかな。
・農地を貸しているけどいつまで耕作してくれるかな?

○近場で規模拡大したい!
・農地を借りたいけど誰の農地で誰が相続してる?
・農地がバラバラにあって移動が大変だ。
・農地の耕作者など(受け手)
・これ以上農地を引き受けきれないな。
・荒れた農地から悪影響があると不安。

◇地域計画とは
農業者や地域のみなさんの話合いで作る将来の農地を誰が耕作し、守っていくかといった姿を明確化した地域農業の設計図といわれるものです。
作成主体:市町村
対象範囲:地区(集落)単位
根拠法令:農業経営基盤強化促進法第18条~

◇地域計画の策定の流れ

※地域計画は、策定して終わりではなく、その後の実行と毎年の見直しが必要になります。

◇このまま放っておくとどうなるの?
このまま何もせずに放っておくと農地は荒れ果て、水路など農業用施設が破損し、地域農業の衰退へとつながります。しかも一度荒れてしまうと、農地の再生を目指しても、元の農地に戻すことは非常に困難です。
さらにこの影響は、農業だけにとどまりません。水路が機能しない状態では、大雨時の増水による水害につながるなど我々の生活の至るところに大きな悪影響を及ぼします。
そこで町では、農地利用にかかる問題解決のため、地域のみなさんと一緒になって協議の場などを通じ、「地域計画」の策定を3月末の完成に向けて取り組んでいます。

◆みんなで話そう!私の地区の農業
~町内9地区で協議を行いました~
11月から12月にかけて各地区の協議の場を持ちました。
協議の場で出た主な意見は次のとおりです。

[古布庄地区]
・春の作業が多く規模拡大の限界迎える
・人員確保ができない
・集落営農でも不採算
・イノシシ被害に悩む
・梨畑エリアは急傾斜で機械作業が困難
・小区画で受け手いない
・畦が高く草刈りが困難
・高齢のため作業が困難

[上郷地区]
・谷間で日照時間も短く、地盤がぬかるむ
・ハクビシン被害がある
・大雨時に水路が溢れる
・休耕田が点在し集約困難
・中山間事業の役員のなり手がいない
・複数集落による共同活動は、意見が整わず難しい
・高齢のため作業が困難

[下郷地区]
・倉坂奥の農地は小規模で畦の管理が大変
・倉坂東の丘陵地、梨園跡に再生事業を希望
・兼業農家の跡継ぎ不在
・水路の激しい経年劣化
・進入路が狭くトラクターで入れない
・酪農家も限界で拡大困難
・転作水田、畦草が放置

[浦安地区]
・芝、高齢等による離農増加
・酪農の経営はギリギリで機械更新も困難
・畔や水路は広域的に取り組みが必要
・町全体でオペレーター確保し共有できないか
・通年作物の検討
・斎尾廃寺跡の有効活用

[八橋地区]
・表土少なく石多い。水が湧くため転作困難
・梨の作業員不足で規模拡大困難
・中山間等の制度活用
・ブロッコリー・酪農は規模拡大困難。白ねぎがよい
・周辺が耕作放棄地になるとすぐに荒れてしまう
・儲かる農業でないと続かない
・笠見集落の豪雨災害

[赤碕地区]
・集落営農で機械共有し農地維持。継続に不安
・田植えなど作業委託の相談先がない
・酪農家がいて助かる
・酪農家に依頼が増加し、限界が来ている
・小規模農家への支援・区画の大区画化希望
・組織での取り組み必要

[成美地区]
・ハウスへの補助希望
・基盤整備から40年経過水路等劣化している
・イノシシの被害
・畦の傾斜がきつく幅広で草刈りきつい
・オペレーター、週末農業人材の創出
・機械レンタル制度の検討
・機械の単純更新へ助成

[安田地区]
・水が少ない地区で水が少なくて済む作物の検討
・空き家情報の地域共有
・コントラ組合による作付
・酪農家が担い手となり農地の維持管理
・酪農家の機械進入困難
・法人によるサツマイモ栽培や飼料用米の作付
・梅田集落、狭く沼田

[以西地区]
・営農組合構成員の高齢化。継続不安
・水田で大豆生産。補助金がなくなる不安
・機械の単純更新へ助成
・収入あれば農家は増える
・地区外からの人材確保
・子どもが後を継いでくれるか不安
・山の畑は管理エリアに位置付けるしかない
・イノシシが嫌う作物を検討

◆地域で農地や農業用施設などの保全活動に取り組みませんか?
地域や集落が行う取り組みに対する支援の紹介

◇多面的機能支払交付金
内容:集落等地域の農業用の水路や道路などの草刈りや泥上げ、補修などの維持・保全管理に取り組む組織に対し活動費用が助成されます。
対象:集落内の農業者及び地域住民を含む活動組織
交付単価:田10aあたり5,400円~9,200円
(※一例)(取組面積・内容に応じて交付)
備考:5年間の取り組み計画を申請し、継続して取り組む必要があります。

◇地域まるっと中間管理方式
内容:地域の農用地の全てまたはそのほとんどを地域に設立した法人が全て借受けし、法人が農用地の維持管理などを行う方式です。耕作者は、法人と作業委託契約を結び農地を利用し、農業生産を行う形でこれまでどおりの営農を行います。
備考:取り組みを行うには、地域内に法人を設立する必要があります。
農地バンクを通じて法人が農用地を集積することにより、集積協力金が法人に交付されます。

◇中山間地域等直接支払交付金
内容:集落内の農用地や農業用の水路・道路など営農を含む維持・保全に関する取り決めを行って活動する集落に対して活動費用が助成されます。
対象:集落内の農業者
交付単価:田10aあたり8,000円
(※一例)(取組面積・内容に応じて交付)
備考:5年間の取り組み計画を申請し、継続して取り組む必要があります

これらの支援は、町内の全ての集落で取り組むことができます。
(複数の取り組みをあわせて実施することもできます。)
ぜひご相談ください。

問合せ先:
農林水産課 農林水産振興係【電話】55-7802
農村整備係【電話】55-7803