しごと 地域を担う新規就農者 ~多様化する新規就農のカタチ~(1)
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- 自治体名 : 鳥取県南部町
- 広報紙名 : 広報なんぶ 2025年7月号
わたしたちが暮らす南部町は、豊かな自然に恵まれ、1年を通して様々な種類の果樹等の農作物が生産されています。
冬から春にかけてイチゴが生産され、夏にはブドウやイチジク、秋には柿や梨など、四季折々の味覚を楽しむことができます。
しかし、近年、この豊かな恵みを支える担い手が減少の一途をたどっています。かつて活気に満ちていた果樹園も、後継者
不足という深刻な問題に直面しています。
南部町では、新規就農を目指す方を対象に、果樹栽培の基礎から経営ノウハウまでを実践的に学べる体験・研修プログラムを用意しています。
今回は、本プログラムの研修生を含め、南部町で農業をしたいという思いのもと新たな一歩を踏み出した方々を紹介します。
■生産者数(戸)
■生産面積(ha)
南部町と町内の農業者、鳥取西部農協などで組織する南部町担い手育成総合支援協議会は、地域農業の未来を担う人材を育成するため、イチゴ研修生の受け入れを始めました。その第1期生となったのが、潮尚子さんです。
昨年まで町内の工場で事務員として働いていた潮さんは、知人を通して協議会のことを知り、一念発起して研修に申し込みました。
現在は、町が整備した研修用ハウスを利用し、市山でイチゴを栽培しているあかり農園指導のもと、研修生として栽培方法などを学んでいます。
実家が農家だったという潮さん。幼い頃から農作業には慣れ親しんできましたが、イチゴ栽培は全くの未経験。「わからないことばかりで毎日が勉強です」と話します。師匠の中村さんから熱心な指導を受けながら、イチゴ栽培の知識と技術を日々習得しています。
取材をした日は、注文していた苗が届いたということで、育苗の準備を進めておられました。この苗が11月から12月頃には実をつけて収穫できるといい、「とてもおいしいイチゴなので、ぜひ町内の皆さんに味わってほしい」と話されました。
将来的には、イチゴ狩りが楽しめる観光農園などにも興味があるといい、「イチゴも好きだけど、こうやっていろんな人と関わるのが好きなんです」と今後の活動に対する抱負を話されました。
■果樹園の担い手育成×新規就農者の「いま」
▼柿チャレンジ講座
6月1日(日)、金田地区にある柿畑(圃(ほ)場)にて、第1回柿チャレンジ講座が開催され、摘蕾(てきらい)作業に焦点を当てた実践講習が行われました。昨年から実施されている本講座は、全5回を予定しており、摘果や剪定など柿栽培の行程をひと通り学ぶことができます。圃場での実践に重点を置いたこの講座には、県西部農業改良普及所や鳥取西部農協米子・あいみ果実部から講師を迎え、その知識と技術が伝えられました。
参加者からは、「一人だと分からないことも、圃場で作業しながら教えてもらえるのはありがたい」との声が聞かれました。実際に木に触れながら学ぶことで、インターネットや資料だけでは得られない生きた知識と経験を得られます。次回からでも参加できますので、ご興味のある方は参加されてみてはいかがでしょうか。
○摘蕾(てきらい)とは?
より大きな果実を実らせるため、蕾(つぼみ)を間引く作業