- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県江府町
- 広報紙名 : 町報こうふ 2025年9月号
■農業委員会県外視察研修
農業委員会では、担い手の育成、その手法を学ぶため令和7年度県外視察研修を行いました。
◯広島県世羅町
最初に視察研修地に訪問しましたのは、隣県の広島県世羅町です。
世羅町は、農業地帯で水稲、大豆、果樹の栽培が盛んです。近年は、アスパラ、ぶどうの栽培に力点がおかれており、安定した収入源となっています。
就農に関しての特徴は、世羅産業創造大学研修制度を設けていることです。制度の中では世羅町担い手育成協議会や関係機関主催による座学に加え、栽培実習を町内の農業法人で農業技術を習得するコースと座学と実習を行いながら農業経営を学ぶ農業経営者育成コースを備え、受け入れ体制を整備しています。研修助成金も年間180万円を国の助成金と併せて支給することとなっています。3年間の定住が条件となりますが、独自の就農助成金も設けています。
「世羅産業創造大学研修制度」のパンフレットの表紙に「農業研修生本気の人だけ大募集‼」と大きく書かれていました。就農の中途での離脱等を耳にすることがありますが、新規就農に関して、新規就農者はもとより、関係者も本気で支援に取り組むことが大切と感じさせられました。
◯山口県周南市
次に視察研修地に訪問しましたのは、山口県周南市でした。周南市は、山口県の東部に位置し、人口は14万人弱と米子市とほぼ変わりません。合併前は徳山市に代表される瀬戸内海側の工業地帯もありながら、北は中国山地までの延びており南北に長く中山間地域も抱えております。近年では、就農に重点を置き、さまざまな手法で支援しています。
就農相談の窓口では就農に際して目指す農業のカタチを探します。新規就農に適正であるか、知識チェックなどを行い、(1)その他の収入+農業収入の型(2)農業分野での給与収入(3)経営主としての農業収入などの分類を行い、就農者にあった形により、農業経験の有無や複数回の面談を行うとともに、経験のない方にはおためし農業体験や農業大学校で知識、技術を学ぶことを勧めるとともに、受け入れの農業大学校でも就農のための体制を築いており担い手養成研修、指導農家研修も行っています。
就農してもすぐに収入が見込めないため、就農者の育成はもとより、その近隣で新規就農者の指導する指導農家研修を行っているのも新規就農者にとって心強い体制となっていました。
このような受け入れ体制により新規就農者も安心して就農ができることとなっています。また、成功例は、後続の新規就農者の手本となり今後も新規就農者が増加していくことが期待されています。
就農初期の判断、中盤の技術支援、経営支援、後継者育成と手厚い就農への体制が整っている周南市は、行政と県立農業大学校、先輩の就農者との連携が密に取れていました。
■9月の農地相談会
売買、相続、転用など農地に関することは、お気軽に相談ください。
日時:9月25日(木)午後1時30分から3時30分
場所:江府町役場本庁舎1階 相談室1
※事前申し込みをお願いします。お近くの農業委員・農地利用最適化推進委員または農業委員会事務局にお問い合わせください。
■農業委員会総会(9月9日(火)開催)
以下の審議案件はすべて承認されました。
・農用地利用集積等促進計画(案)について……4件
・農業振興地域整備計画の変更に係る意見具申について……1件
問い合わせ:江府町農業委員会事務局
【電話】0859-75-6620
■秋の農作業安全運動について
9月1日から10月31日までの2か月間は、「秋の農作業安全運動」実施期間です。先日、県内で乗用草刈機転倒による死亡事故が発生しました。秋は稲刈りや草刈りなどで農業機械を使う機会が増え、特に事故が多くなる時期です。一人ひとりが機械の点検や周囲の安全確認を怠らず、事故の発生防止や被害軽減に努めましょう。大切な命を守るため、安全第一で農作業に取り組みましょう。