- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県松江市
- 広報紙名 : 市報松江 2025年7月号
市は長年にわたり地域産業の発展に貢献された技能者を表彰しています。
令和6年度松江市手作り産業優良技能者表彰
■No.3 安部啓一(あべけいいち)
松本蕎麦店(白潟本町)
(奨励賞受賞)
推薦団体…松江蕎麦組合
匠は出雲大社近くの蕎麦屋で生まれました。しかし高校卒業後、母親の他界を機に実家のお店を閉めることとなり、その後は趣味で蕎麦屋巡りをしながら、蕎麦粉を分けてもらい蕎麦打ちや出汁作りをしていました。その中で、48歳の頃松江市で江戸時代から続いていた「松本蕎麦店」を、連続テレビ小説「だんだん」の撮影セットを用いてもう一度オープンしないかという話が舞い込んできました。匠はチャンスだと思い、これを引き受けたことが、今のお店の始まりでした。
匠は自身の蕎麦を提供する際のこだわりについて、「お客さんの顔を見て蕎麦を茹でる。席に着いているのを確認し、常にベストなタイミングで食べてもらうよう徹底している。提供する蕎麦は作品だと思っている。その思いこそ『ものづくり』なのではないだろうか」と語りました。匠の蕎麦作りとその文化継承へ込められた熱意は、次世代の蕎麦職人が引き継いでいくことでしょう。
■No.4 長谷川三芳(はせがわみほ)
glass house pase'(西津田一丁目)
(奨励賞受賞)
推薦団体…MATSUE流の会
匠がガラス工芸に携わったのは、10代の頃からでした。美術の大学を卒業後、専門学校に通い、本格的にガラス工芸のさまざまな技法について学びました。専門学校を卒業すると、東京の吹きガラス工房のガラス教室で作り方の指導を行っていました。地元に帰ってからは、アクセサリー工房「glass house pase’」で作品を制作しながら、こども園でガラス教室を実施しており、職人としての技能を生かしながら、講師としてもその力を発揮しています。匠は、「ガラス制作を行っている中で、自分が作った物がお客さんの手に渡ることももちろん嬉しいが、教えたこどもたちがイベント先で声をかけてくれることがあり、こどもたちの記憶として残っていることが特に嬉しい」と語りました。
匠は「松江水燈路」や「松江ヨアカリ」への作品提供や、「丘のクラフト展」、「CRANUMA」などの地元のイベントへ積極的に参加しています。手仕事の魅力を伝えていくためのさらなる活躍を期待しています
この記事に関する問い合わせ:ものづくり産業支援センター
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