くらし 食べごろ松江~まつえ旬もの食べてごせ~VOL.10

地魚の王様「イサキ」

暑さが本格化するこの時季。多くの魚が冬に旬を迎えるため、魚は旬ではないと思われがちですが、実は、夏に旬を迎える魚も意外と多くいます。今回は、そんな中からおすすめの地魚「イサキ」を紹介します。あまり聞き馴染みがないかもしれませんが、全国的に広く生息し各地で親しまれる魚で、本市を含む島根県は全国有数の産地となっています。中でも本市の沿岸には、イサキが好む海藻が茂る岩礁帯の好漁場が多く、主に定置網や一本釣りでイサキの漁獲が行われています。産卵期を迎え、白身に上品な脂がのるこの時季には、高級魚として取引されるほどの食味で、刺身はもちろん、煮ても焼いても揚げても美味しくいただけます。
ほかの魚では「目が澄んでいるもの」が目利きの基準とよく言われますが、イサキは、目が曇ったものが多いため、身の厚さや色艶などが選び方の基準とされます。身が厚く、肥えてずんぐりした形で、金色がかったものがよく脂がのっており、エラの色が鮮やかで皮の表面に艶があるものがより新鮮とされますので、ぜひ参考にしてみてください。
どんな料理にもおすすめのイサキですが、新鮮なものはやはり刺身がおすすめ。身だけではなく、皮目にもよく脂がのるため、皮は引かず、皮目を強火で軽く炙っても絶品です。また、鱗がほかの魚と比べて薄いため、松笠揚げにしても楽しめます。魚自体の旨味があるため、薄めの味付けがおすすめで、シンプルに塩を一振りするだけでも十分美味しくいただけます。そのうえ、摂れる栄養素も魅力で、特にDHAやEPA、ビタミンEが豊富です。
食べて美味しい、身体に嬉しいイサキ。鮮度が落ちやすいイサキですが、漁場が近い本市では、鮮魚コーナーで新鮮なイサキを手に入れることができます。脂がのった旬もの「イサキ」をぜひ手に取ってみてください。

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