- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県江津市
- 広報紙名 : かわらばん 2025年10月号VOL.886
■済生会の役割
医師会長:今後、専門医が減っていく中で、済生会での救急対応は何ができるのかということも考えないといけない。総合診療医の先生が増えたとしても、総合診療医の先生のバックには、やはり専門医の先生が必要。我々も済生会に送ろうとした場合に、どうしても外科的な処置ができないから他の病院に当たってくれと。市民が遠くの医療機関にまで行くというのが大きな問題です。その辺りを市民に納得してもらうのは大切だと思います。
支部長:医師会長のおっしゃるように、2次救急医療機関として、何が診れて何が診れないかをある程度明示することが重要です。
専門医を増やすという考え方もありますが、済生会が自治医科大学出身医師たちのようにダブルボード(※2)を取る医師が来たくなるような、そして活躍できる病院となる必要もあると思います。総合診療医をしていたけれども10年選手になったときに、次のステップとして別の専門も、という医師が実際にいます。
今後は総合診療医が何らかの専門性を持つといったことも、考えていかなければならないと思っています。
市長:江津市の中だけの地域医療を考えた場合、様々な専門医が必要になります。しかし、現状を考えると、浜田江津の医療圏域の中で、浜田医療センターと済生会とを位置付けたときに、済生会にどのような機能を持たせるのか。高度な急性期は浜田医療センターが担い、済生会は総合診療医を中心としながらも、専門性が高い医師が何人かおられ、ある程度の役割を担えるような、そういう病院になっていかなきゃいけないという現状があると思います。

■今後の病診連携の在り方
市長:次に、江津市の病院と診療所の連携というのは、市民の皆さんの健康と命を守る上では非常に大事になってくると思います。
今後人口が減り、少子高齢化も進み、医療人材も不足すると予想されますが、お互いどのような役割、連携をした方がよいのか、それぞれに期待することについて教えてください。
医師会長:済生会で何ができるのかというのがまずは一番重要だと思います。救急対応も含めて何を診れて、何ができるかということを明確にする必要があると思います。そうでないと病診連携で患者さんの紹介も難しい。それと、総合診療医のやれることがどこまでの範囲なのか。開業医の先生とどこが変わるのか。済生会に総合診療医がいっぱいいても、紹介したら、本当に我々が困ったことがちゃんと診てもらえるのか。
例えば神経疾患の患者さんは総合診療医の先生ではなく、神経の専門医へ紹介します。紹介するとなると、やっぱり専門性が高いところに紹介すると思います。一方で、一般的な老衰とか、それから高齢の認知症の患者さんに関しては総合診療医の先生でも診てもらえるかなと思っています。
しかし、急性期や悩んだ症例に関しては、済生会だけで完結するわけではなく、色々な所で連携をとっています。浜田医療センター、県立中央病院、島根大学医学部附属病院もあり、そういう所で十分に病診連携はできていると思います。
だから圏域にこだわる必要もないのではと思います。
支部長:それぞれの診療科で可能な検査、例えば甲状腺だったらどこまでできるのか、明示するようこれから取り組みます。
それと、守備範囲を広げていく必要もあり、専門医で広げるのか、総合診療医を育てることで広げるのか、いずれにしても医師会の先生にわかりやすくする、そして紹介できる領域を増やしていくという努力もしていこうと思います。
■江津の地域医療を維持するために
医師会長:地域医療を実際に担っているのは開業医で、そこに集患をしないといけないように思います。そのためには、アクセスやその辺りを便利にしてあげることが必要です。人口減少が特に激しい所で維持ができるように、通院の補助や、通院の介助などができるようなシステムをお願いしたい。それさえできれば、例えば後継者とかもそういうところでもやっていけると思います。
また、遠隔診療と言われますが、遠隔診療するにはそこに患者さんが来ないといけないし、設備投資やナースもそこに必要です。なので、遠隔診療も難しいところもあります。ですので患者さんの移動を補助した方が、江津市では効率的だと思います。
支部長:済生会が今後の地域医療を維持していくための考え方は、総合診療医を中心として、何が診れますということを明示していかないといけないこと。
そして、それを広げるように、必要とされる専門医を増やす、総合診療医も自分のセカンドキャリアに向けて進んでいく仕組みを作っていく。まず守るものを守りながら広げていく、そして市民の皆さんにもわかりやすくする努力をしていこうと思っております。
市長:ありがとうございました。今後も行政がやれることを一生懸命やって何とか地域医療を守っていきたいと考えてますし、当然市民の皆さんにも色々なことを知っていただきたいという思いもあります。みんなで一緒になって取り組んでいければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
※1 Join…急現場において、救急隊と病院との間で画像などの連携が可能な医療用コミュニケーションアプリ。病院同士の連携も可能。
※2 ダブルボード…医師が複数の基本領域専門医資格を同時に取得すること
(例 総合診療医の専門医を取った後に腎臓内科も目指す。総合診療医から次のステップに上がる)
問合せ:健康医療対策課地域医療対策係
【電話】0855-52-7935
