くらし 脱炭素社会実現プロジェクト「みんなで進める脱炭素のまちづくり」(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県雲南市
- 広報紙名 : 市報うんなん 2025年8月号
■なぜ脱炭素?
地球温暖化による異常気象や自然災害の増加が深刻化しており、本市においても線状降水帯による「令和3年7月豪雨災害」が発生し、近年例を見ない規模の被害を受けました。今後、暮らしの豊かさを追求しながら、災害に強く、エネルギーを自立できるまちづくりをめざします。
■雲南市の脱炭素宣言と脱炭素社会実現計画
市は、2050年までに「温室効果ガス排出量実質ゼロ」をめざし、令和4年6月に脱炭素宣言を表明しました。この宣言を実行・実現していくために雲南市脱炭素社会実現計画を令和6年3月に策定しました。
これは、未来のこどもたちに安全で持続可能な環境を引き継ぐための、市を挙げた挑戦です。
■市民の皆さんと一緒に
脱炭素は、暮らしの中の小さな行動から始まります。市は、市民・事業者・地域組織・行政が連携しながら取り組みを進めています。
■脱炭素社会実現プロジェクト4つの柱
◯再生可能エネルギーの推進
・エネルギーの地産地消
・公共施設への太陽光発電・蓄電池導入
・水力発電の導入推進
《市内でエネルギーの地産地消に取り組む皆さんを紹介します》
・株式会社うんなん共創エネルギー
雲南市の地域エネルギー会社として4月1日に誕生し、4月8日に雲南市と連携協定を締結しました。地域の住民・事業者と共に課題解決を進めながら、エネルギーの地産地消、脱炭素を実現する会社です。設立してまだ間もないですが、地域の祭りや防災イベントの企画・運営、地域イベントに使用する電源提供、農業と関係人口をつなぐ取り組み、里山の水源環境改善と関係人口をつなぐ取り組み、地域の担い手不足対策など、さまざまな領域における共創に取り組んでいます。
・雲南でエネルギー自治を実現する会
令和6年3月に発足し、市民や地元企業がどのようにエネルギー自治に関わっていけるかを学び、協議してきました。今年度は、(1)再生可能エネルギーと地域づくりについての勉強会(全3回)を市内10地域に出張して提供する、(2)小水力発電ラボとして模型製作・先進地視察・市内の適地調査を行う、という活動を行います。地域の皆さんがエネルギーのことを自分事として捉え、地域内の経済循環につなげることをめざします。また、高校生や大学生の学びの機会を提供していきます。詳しくは下記二次元コードからご確認ください。
※二次元コードは広報紙2ページをご覧ください。
◯省エネの推進
《公共施設の省エネ化(高い断熱性能、高効率の空調設備など)》
R6年度:木次子育て支援センター建設
R7年度:
・加茂文化ホール「ラメール」改修
・加茂健康福祉センター「かもてらす」改修
・市営住宅中村団地建設
《公共施設の照明LED化》
R7年度:先行モデル19施設へリース方式により導入(里方分庁舎、総合センター、体育館、学校、保育所など)
《EV車の活用促進》
EV充電設備設置
(1)普通充電:14施設
※今後の設置予定:4施設
(2)急速充電:1施設(道の駅「掛合の里」)
※今後の設置予定:
・道の駅「さくらの里きすき」(2基設置)
・道の駅「掛合の里」(1基増設)
◯森林資源の活用
・木造建築、建築材利用の推進、薪ストーブや薪ボイラーの普及推進など
◯ごみゼロ社会の実現
・ごみの削減と資源循環
・キエーロコンポスト※の普及、廃食油の再利用
※土中のバクテリアを利用して生ごみを消滅させる木製の容器
■全体を支えるしくみ
◯企業チャレンジによる官民連携の推進
《株式会社アルプロン(令和6年4月に協定締結)》
地元企業と連携し、田んぼの中干(なかぼ)し期間延長によりメタンガスを削減し、J-クレジット※化により地域の農家所得向上と米の付加価値向上を図る取り組みを推進中。
※Jークレジット:削減された温室効果ガスの量を「クレジット」として国が認証する制度
《カナツ技建工業株式会社(6月に協定締結)》
廃食油を生かして地域内で循環するエネルギー「高純度バイオディーゼル燃料」を製造。
市は回収支援・仕組みの構築などで連携します。