- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県奥出雲町
- 広報紙名 : 広報奥出雲 令和7年2月号
世界で唯一、奥出雲町のみで受け継がれる日本古来の製鉄法「たたら製鉄」を営む鳥上地区の日刀保たたらで、1月22日に今年最初の操業が始まりました。
火入れ式に先立ち関係者約30人が、約40年にわたり村下(むらげ)(技師長)を務め、6月に88歳で逝去された木原明(きはらあきら)さんに黙祷を捧げました。
操業の安全を祈願したあと、木原さんの後を継いだ堀尾薫(ほりおかおる)村下が、炎の中に最初の砂鉄「初種(はつだね)」を流し込みました。作業は3昼夜にわたり、堀尾村下を含めた13人が30分おきに砂鉄と木炭を炉に入れて燃やします。
堀尾村下は「私が全責任を負ってこの操業に臨む覚悟で、本日の火入れを迎えております」と力強く語られました。
1回目の鉧出(けらだ)しは25日の早朝に行われ、玉鋼(たまはがね)を含む鉄塊「鉧(けら)」が取り出されました。
操業は2月8日までに計3回行われ、出来上がった玉鋼は全国の刀匠へ供給されます。