- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県奥出雲町
- 広報紙名 : 広報奥出雲 令和7年3月号
■町民の皆さんの健康と安心を支える専門家
〜認知症看護認定看護師・感染管理認定看護師〜
今回は、奥出雲病院で働く二人の「認定看護師」をご紹介します。
認定看護師とは、専門的な知識と技術を活かし、特定の分野で質の高い看護を提供する看護師のことです。認定看護師になるためには日本看護協会が定める長期間の研修を修了し、認定試験に合格する必要があり、日本では現在、「感染管理」、「緩和ケア」、「がん化学療法看護」、「認知症看護」、「糖尿病看護」など19の専門分野が認定されています。
患者さんやそのご家族に対して、病気の理解を深めるための情報提供や、治療に関するアドバイスを行い、安心して治療を受けられる環境を整えています。
また、認定看護師は医療チームの一員として、医師や他の医療従事者と連携し、患者さん一人一人に最適なケアを提供することを目指しています。
◆『認知症看護認定看護師〜患者さんと家族の心強い味方〜』
高齢化が進む中で、認知症は誰にとっても身近な問題となっています。現在、日本では約700万人が認知症またはその予備軍と言われていますが、認知症は「もの忘れ」だけでなく、混乱や不安、生活の中で困難を感じることも多い病気です。「認知症看護認定看護師」は、そんな認知症患者さんやそのご家族を支える専門家です。
認知症看護認定看護師の役割は多岐にわたります。患者さんが「その人らしい生活」を続けられるよう環境を整え、認知症特有の行動や症状に対応した適切なケアを提供します。また、ご家族や介護者の負担を軽減するためのアドバイスや相談対応なども行っています。
例えば、「夜中に外に出てしまう」「同じことを何度も繰り返す」などの症状がある場合、その背景にどのような理由があるのかを患者さんに寄り添って考え、安心できる方法を見つけていきます。また、家族が介護に疲れすぎないよう、サポートの仕方や地域資源の活用方法を一緒に考えたりします。
◇認知症看護認定看護師のひとこと
『認知症の方もそのご家族も、決してひとりではありません。安心して生活を続けられるよう、支援をしていきたいと思います。また、認知症についての正しい知識を地域に広めることも大切な役割の一つと考えています。認知症の方を温かく見守り、支え合える町づくりを目指して、出前講座などを開催し、地域全体での認知症への理解を深めていきたいと思います。』
◆『感染管理認定看護師〜目に見えない感染症から守るプロ〜』
ウイルスや細菌による感染症は、私たちの日常生活に身近な課題です。冬になると流行するインフルエンザやノロウイルス、新型コロナウイルスによるものなど、感染症は正しい知識と対策で防ぐことができます。この「感染症の予防と管理」に特化した専門家が、「感染管理認定看護師」です。
病院内で患者さん同士の感染を防ぐためのゾーニング(エリア分け)や器具の消毒方法の指導を行ったり、研修会を開催したりしています。
◇感染管理認定看護師のひとこと
『地域や学校、高齢者施設等で感染予防の講座を開いて、正しい手洗いや消毒の方法を教えたり、感染経路の特定や拡大を防ぐためのアドバイスを行ったり、幅広い活動を行っていきたいと思います。「感染症は怖いもの」というイメージを少しでも和らげ、正しい知識で予防につなげることを目指して活動していきたいと思います。』