健康 まちのおもちゃ箱(3)健康コラム-保健・医療・介護・福祉

【飯南病院便り】

◆尿酸と生活習慣
松江市立病院 研修医 吾郷 貴大(あごうたかひろ)

7月の間、飯南病院でお世話になりました、松江市立研修医の吾郷貴大と申します。光栄なことに健康コラム執筆の機会をいただきました。今月のテーマは「尿酸と生活習慣」です。
さっそくですが、尿酸とは何でしょうか?字面からはおしっこと関係がありそうですが…。
ずばり尿酸とは、プリン体の老廃物です。最近はプリン体オフと銘打ったビールをよく見かけますね。尿の他、便に混じり腸管からも排泄されます。一見無用の物に思えますが、細胞を守る働きも担っています。
プリン体は、私たちが体を動かすためのエネルギー源や細胞核の構成要素であり、欠かせない存在です。食べ物からも取り込まれますが、大半は体内で合成されています。
尿酸にまつわる健康問題として思い浮かびやすいのは痛風でしょうか。関節内に析出した尿酸結晶が原因で、激痛を伴う発作を引き起こします。大半の原因は高尿酸血症とされています。
高尿酸血症とは、血中の尿酸濃度が7.0mg/dLを超える状態と定義されています。原因としては、尿酸産生過剰、腎排泄の低下、腸管排泄の低下が挙げられます。先に挙げた2つが生活習慣と大きく関係しています。
尿酸産生亢進の生活要因には主に高プリン食、高肥満、過度な飲酒があります。ダイエット目的の極端な食事制限や激しい運動もかえって尿酸値を上げてしまいます。「尿酸値対策100kcalシート」(検索推奨!)を利用した栄養管理、1杯目をゆっくり楽しむ「アルパ飲み」、会話しながら続けられる運動が取り組みやすい所かと思います。
高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の治療に取り組むことは、腎機能の維持につながります。また、尿酸値の管理をすることでも腎機能維持や他の生活習慣病進行抑制につながるといわれています。
夏は尿酸値が上がりやすい季節です。暑さが続きますが元気に乗り切りましょう。

【保健福祉センター便り】

◆9月1日から9月30日は健康増進普及月間です
社会環境の変化や高齢化により、がん・心臓病・脳卒中・糖尿病などの生活習慣病が増加しています。
生活習慣病の予防は、「食生活」「運動」「こころ」「お口の健康」「禁煙」「飲酒」など、さまざまな切り口があります。「健康増進普及月間」は生活習慣病についての理解を深め、自分の生活習慣を振り返り、改善に取り組むきっかけをつくる月間です。

◇“おいしい!の笑顔を集めよう!プロジェクト”~野菜をおいしく食べよう~
飯南町では、「食生活」を切り口に、啓発と体験を行っています。
食生活改善推進員さんの協力を得て、住民健診での野菜摂取量チェックを実施しました。
食事は毎日3食気をつけることができます。
「ちょっと野菜を増やそうかな」「タンパク質を食べないと…」「アルコールを減らそうかな」など、気持ちが動いたときに、行動に移してみましょう!

問合せ:
飯南病院【電話】72-0221
来島診療所【電話】76-2309
保健福祉センター【電話】72-1770