- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県吉備中央町
- 広報紙名 : 広報きびちゅうおう 2025年8月号 Vol.250
~町内にある文化財を探訪してみよう~
【加茂霊場巡拝行事(かもれいじょうじゅんぱいぎょうじ)】
町指定重要文化財(無形民俗文化財)
■解説
加茂川エリアを中心に、弘法大師、観音、地蔵、薬師などを祭ったお堂を、定められた期間内に札所として巡拝する行事です。天保8年(1837年)、津高郡十力村(つだかぐんじゅうりきむら)(現在の高谷地区)に住んでいた能瀬峯太郎(のせみねたろう)が四国八十八ヶ所を巡拝し、各札所の霊砂(れいさ)を持ち帰り、郷内の霊場へ納め、八十八ヶ所を開いたと伝えられています。
札所は八十八の本番札所をはじめ、奥の院、別院、番外と次々に追加された札所を合わせると165ヶ所あるとされており、それらの札所を導師や稚児、詠歌隊(えいかたい)などで構成された巡拝団が8日間かけて巡拝されます。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔繁森恒昭(しげもりつねあき)委員〕
関係者の高齢化、後継者不足から数年前に中止となり、現在は実施ができていない状況です。記憶している人も年々少なくなっているのが現状ですが、皆が貧しい中、信仰行事として各地区の人達が協力し、毎年春に行われていたこの行事を何らかの形で記録を残し、いつまでも語り継いでほしい行事だと思います。往時の記録冊子(加茂川町教育委員会『加茂霊場巡拝行事』1997年)もありますので、ぜひ読んでみてください。
お問い合わせ先:教育委員会事務局 生涯学習班
【電話】0866-56-9191