スポーツ 〈対談〉香川県知事 池田豊人 × 元関脇 琴勇輝 荒磯勇輝(2)

◯若くして離れた故郷への思い
知事:入門後は香川を離れての生活でしたが、地元の支援や声援で思い出に残っていることはありますか。
荒磯:現役時代は、毎年小豆島で行われるわんぱく相撲大会の予選にゲストとして参加していました。私も小学生時代に、高松巡業で関取に相手をしてもらったことが記憶に残っており、力士とのふれあいが子どもに夢と希望を与えることを実感していますので、現役中は参加を続けていました。
知事:「香川に帰ってきたな」と感じるのはどのようなシーンですか。
荒磯:香川の海や山など、昔は何気なく見ていた景色が、上京して初めて当たり前のものではないと気づきました。帰省した時に瀬戸内海や香川の自然を見ると心が癒やされます。幼少期に通った店で、地元の人から「おかえり」と声を掛けられるとうれしいですね。

◯後進の育成は「力士ファースト」
知事:現在は、相撲教習所の教官として、どのような指導をされていますか。
荒磯:入門する力士の中にはスポーツ未経験者もいますので、それぞれのレベルに合わせてグループ分けをして、四股、すり足などの基本動作や、土俵上での所作などの実技、相撲の歴史を教えています。今後の相撲界を担う若い力士に基礎から教えるこの仕事に、すごくやりがいを感じています。
知事:若い力士を指導する上で気を付けていることはありますか。
荒磯:「力士ファースト」を念頭に自主性を重んじ、指導する時に「私たちの時代は」とは言わないようにしています。稽古中に力士が不調を訴えてきたら無理はさせませんが、「楽をすると自分の成績に返ってくるよ」とは伝えています。

◯体調管理に「希少糖」を愛用
知事:希少糖を愛用されているとお聞きしましたが、どうですか。
荒磯:昨年3月に知り合いから紹介され、サプリメント感覚で、常にかばんに携帯して愛用しています。これを飲んだあとは、体がポカポカと温まり、体調の変化を感じています!

◯伝統文化の継承と変革
知事:最後に、親方の今後の抱負と、県民へのメッセージをお願いします。
荒磯:県民の皆さまには、現役中から多くの声援をいただき、ありがとうございます。皆さまの応援に励まされ、相撲を長く取り続けることができました。今は相撲の伝統と格式を守り、次の世代に継承すること、一方で質の良い稽古のために変えるべきものは変えること、これらが親方の使命だと思っています。これからも土俵上での姿勢や取組で、全国のファンや子どもたちに夢と希望を与えられる相撲界をつくるためにまい進したいと思います。
知事:親方の元で「第二の琴勇輝」となる県出身の力士が出てくることを期待しています。本日はありがとうございました。