- 発行日 :
- 自治体名 : 香川県琴平町
- 広報紙名 : 広報ことひら 2025年9月号
■いじめとその防止
近年の社会は、都市化、核家族化、人間関係の希薄化、規範意識の低下等の子どもたちを取り巻く社会環境は急激に変化しています。
子どもたちは、テレビやゲームなどの一人遊びが増え、人とかかわる機会が減少しています。そして、自己抑制(がまん)やコミュニケーション能力が十分に育っていないといった課題が浮き彫りになりました。
結果として、社会は、人間関係を薄めていく方向にあり、その中で子どもたちは生活しています。当然、友だち関係も薄まっています。このような状況は、人権のことを考える上では、あまりよい世の中とは言えません。
◇ではどうしていくことが大切か
希薄になっている人とのかかわりをよくするには、自分以外の人に対して「敬意」を払うことが考えられます。
具体的には、人の思いを勝手に決め込まず、「自分には解らないから相手に尋ねる」という素直な気持ちで向き合うことです。
つまり、他人の気持ちは、聞いてみなければ解らないものだからです。この「他人のことは自分には解らない」ということをきちんとわきまえることで、人とのつながりをつくる土台ができると考えます。
◇家庭でのかかわり
人とのつながりがあろうとなかろうと学校や社会の中では、認め合ったり、がまんしたり、譲り合ったりしながら向き合い、話し合うことで解決していくことが大切です。決して力で解決してよいなどと誰も思っていないはずです。
例えば、子どもたちがトラブルを家庭に持ち帰り、保護者に話した時、「その子と向き合い、話し合うことで解決していくことが大切だよ」という話ではなく、「いやなら相手にするな」「ほっといたらいいやん」というように遠ざけたり、切り離したりすることで解決を図ろうとする話が出る家庭の中では、子どもたちは、間違いなく自己抑制もコミュニケーション力も身に着けようとしません。
なぜなら相手にしないという選択からは、がまんもコミュニケーションも必要ありません。しかし、トラブルは解決しないままになり、トラブルが重なるほどに友だち関係が狭まっていくだけです。人権を大切にしていくこととは真逆の対応になってしまいます。
子どもたちが、身に着けるべき自己抑制やコミュニケーション力は、人とのかかわりの中でしか身につきません。
保護者を含めて子どもたちの周りにいる大人の言動が重要な条件になりますから、家庭や地域での大人同士の関係性や子どもを真ん中に置いた取り組み等を進める中で、人との関係性を学ぶこともねらいにしていくことが望まれます。
問合せ:企画防災課人権同和室
【電話】75-6711