文化 人権コラム

■学校・家庭で大切にしたい人権教育
◇近年の社会状況
都市化、核家族化、人間関係の希薄化、規範意識の低下等の子どもたちを取り巻く社会環境は急激に変化しています。さらに、テレビやゲームなど一人遊びが増え、人とかかわる機会が減少し、結果として、自己抑制やコミュニケーション能力が十分に育っていないといった今日的課題があります。しかし、時代の変化がそうさせていることなので子どもの責任ではありません。
本来子どもは、地域・家庭・学校での人との信頼関係に支えられ、大人や友だちから認められる体験を通して基本的自尊感情(自己肯定感)が高まり、自信を持って人とかかわることができます。

◇いじめを例にとると
いじめが起きる原因は多様ですが、
(1)考え方が自分とはちがうと言って
(2)運動や勉強ができる・できないと言って
(3)同じことができる・できないと言って
(4)力が強い・弱いと言って
「理由にならないちがい」を見つけて、ばかにしたり、上から目線になったりすることから始まります。
もし、互いを理解できる人間関係や相手のことを受け入れる自己抑制力、自らの思いを伝えるコミュニケーション力があればすれ違いはあってもいじめは起きにくくなると考えます。そこで、多くの学校は、子どもの発達に合わせて各学年相応の人権教育を進めています。同時に、「なかまづくり」の活動により子ども同士の関係性を強くする取り組みも行っています。

◇子どもは学校と家庭の間にいる
子どもたちは、日々の生活の中で、よいこと(うれしいこと)だけではなく、友だちとけんかをしたり、友だちのことで悩んだりすることがあります。
例えば、こまったことを家に帰って家族に話した時、「相手の言い分も聞き、話し合うことで解決できたの?」とか「解決してないのならいっしょに行って話そうか」という対応をする家庭。
それに比べて、「そんなんやったら相手にせんでいい」とか「いっしょに遊ばんでいい」という話になるような家庭では、子どもたちは間違いなく「自己抑制(がまんすること)」も「コミュニケーション力」も身に着けようとしません。なぜなら相手にしないからがまんもコミュニケーションも不要だからです。しかし、トラブルは未解決のままになり、次の火種になりかねません。
学校では、決して力で解決すべきではないことを学ばせています。そして、人とのつながりがあろうとなかろうと認め合ったり、がまんしたりしながら向き合い、話し合うことで解決していくことを大切にしています。
保護者のみならず社会の大人の言動や立ち位置を今一度、考えてみませんか。

問合せ:企画防災課人権同和室
【電話】75-6711