健康 市民医学講座 NO.241

■足底筋膜炎(足底腱膜炎)
今治市医師会 石丸 雅巳

朝起きた時や運動開始の最初に足をついた時に足裏や踵(かかと)が痛む、その痛みの原因は足底筋膜炎(足底腱膜炎)かもしれません。
足裏に繰り返し負担のかかるスポーツや長時間立ち仕事をしている人に多く、踵の骨に付着している足裏の筋肉や腱が繰り返す負荷で損傷または炎症を起こし、それが動作時に急に引っ張られることで痛みが出現します。荷重開始時の痛みは運動を続けるうちに徐々に軽減し、長時間になると再び痛みが強くなってくるのも特徴です。X線検査や超音波検査、MRI検査などで診断します。X線検査では踵の骨にとげ(骨棘(こつきょく))がよく見られます。
足裏への繰り返す負担が主な原因ですが、扁平足や外反母趾、靴の不適合なども要因となります。急性期の疼痛(とうつう)には、消炎鎮痛剤の内服や外用剤、局所の安静(運動の休止)、テーピングなどを行い、症状が強い場合には局所注射や体外衝撃波、手術による骨棘切除などを行うことがあります。安静は疼痛を軽減させる治療のひとつですが、動かさない時間が長くなると、筋肉も硬くなり、また運動した時に同様の負担がかかるため再発を繰り返したり長引いてしまうことがあります。その再発予防にはストレッチや筋力訓練などのリハビリテーションが重要であり、また、負荷や衝撃の軽減、扁平足の治療としての足底板やインソールも再発予防に効果があります。
重症化、長期化する前に早めに整形外科を受診しましょう。

※このコーナーの記事は今治市医師会広報委員会のご協力によるものです。