- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県今治市
- 広報紙名 : 広報いまばり 2025年4月号
■しまなみイノシシ活用隊
ー大三島ー
◇地域資源として生かす挑戦
しまなみイノシシ活用隊は、狩猟者や農家が協力し、イノシシの捕獲から解体・販売までを一貫して行う団体です。代表の渡邉さんはみかん農家を営んでおり、「農作物被害が深刻で、捕った後のイノシシをどうにかできないか?」と思ったことが活動のきっかけだったそうです。
「メンバーはさまざまで、農業をしながら捕獲を行う人もいれば、解体や販売に特化している人、革製品を作る人、骨を原料としたスープをもとにラーメンを作る人、体験プログラムを企画する人もいます。最初は15人ほどの小さなグループでしたが、現在では30人以上に増えました。地元の柑橘を食べて育つイノシシは、柑橘の香りが特徴で『みかんイノシシ』としてブランド化しています。イノシシ肉は品質にばらつきが大きいため、高級レストランからペットフード用まで販路を広げ、状態に合わせた販売戦略を立てています。最近では豚熱の影響で出荷制限がかかることもあるため、岡山理科大学や県の機関と連携し、検査体制の強化を進めています。今は島だけでなく、陸地部でもイノシシの被害が広がっており、捕獲と活用の仕組みを地域全体に広げていきたいと考えています。地域課題の共有と連携を強化しながら、イノシシを資源として生かしていきたいですね。」