しごと 特集 自分らしく、働ける場所。-シルバー人材センター-(1)

■定年後も自分らしく働ける場所
「何歳になっても、元気で自分らしい生活を送りたい」。
それは誰もが願う生き方ではないでしょうか。人生100年時代と言われている昨今においては、従来の働き方や定年後のライフステージにおける考え方が変わりつつあります。
定年後も無理なく自分らしく働ける場所、それがシルバー人材センターです。
今月の特集では、さまざまな現場で今まで培ってきた経験や技術を活かしながら働く会員の方々と、会員を支える職員の声をお届けします。

◆会員インタビュー
「夫婦で仲良く過ごせる秘訣」
飯田純一朗(じゅんいちろう)さん(73)、久美子(くみこ)さん(74)

○自分のペースで働ける
明るく元気で仲の良い飯田さんご夫婦は二人ともシルバー人材センターの会員です。
「自分のペースで休憩を取りながら働けるし、難しい人間関係がないからストレスは感じないよ。一番良かったことは家での夫婦間のグチが減ったことかな」久美子さんは笑いながら、みなっとのトイレ掃除を軽快にこなします。顔見知りのお客さんと出会うと天気の話をするなど、あいさつと笑顔は絶やしません。
「この仕事で一緒になった人と友達になったから、今度ランチに行くのよ」
久美子さんは、仕事も休みもメリハリをつけて思いっきり楽しんでいます。
この日の純一朗さんの仕事は八代の山頂にある、鶏舎での餌やり。数十羽の鶏を相手に軽快なフットワークを見せていました。また、日曜大工が得意な純一朗さんは作業着の前掛けを自分のサイズに加工したり、道具箱の自作もお手の物。趣味の日曜大工や過去の土木関係などの仕事の経験が活かされているそうです。
明るく笑いながら二人は話します。
「ちょっとした喧嘩はあるけど二人が仲良く過ごせる秘訣は働き方が大きいかな。短い時間で無理なく働けるし、綺麗に掃除して「いつもありがとう。助かってるよ」と言われるとやりがいにつながる。もっと早くシルバー人材センターで働いていたら良かったね」

◆会員インタビュー
「仲間がいるから仕事が楽しい」
平野宜照(よしてる)さん(74)
井上久明(ひさあき)さん(69)
宮本守(まもる)さん(70)
大汐幸春(おおしおゆきはる)さん(74)

○体が元気なうちはまだまだがんばるよ
朝8時に現場で依頼者と詳細を確認した4人は、軽トラックに積んだ道具を準備して、早速仕事に取り掛かります。草刈り機やチェンソーなどの道具を巧みに使い、生い茂っていた雑草と木はあっという間に姿を消しました。機械の届かないところは片手鎌を使い、道に散った草や葉をで掃除して、最後に伐採した草木を軽トラックに積み込み仕事は完了。
「みんなと会って話すのが楽しい。嫌なことがあっても体を動かしていれば自然とすっきりするから一石二鳥よ。体が元気なうちはまだまだがんばるよ」作業を終えた4人は慣れた手つきで道具を片付けながら、清々しい表情で話してくれました。

◆依頼者インタビュー
二宮千賀子さん
シルバー人材センターのことを知ったのは、知り合いから墓掃除をしてもらったという話を聞いたことがきっかけです。
色々なことをやっていただけると聞いていたので、まずは亡くなった母が一人暮らしをしていた実家の松の木の剪定を頼みました。自分一人ではとても切ることができなかったので大変助かりましたね。今回は、畑の草刈りと庭木などの伐採を依頼しました。これからもお願いしたいですね。

◆会員の皆さんの仕事の一部を紹介します!
○高岸繁栄(しげたか)さん(76)
広報やわたはまの配送
知人との話でシルバー人材センターを知りました。広報委員さんの元に少しでも早く確実に届けられるよう配送ルートを確認しながら、雨の日には濡れないように注意して配送しています。「今月もありがとう」と言われると、やりがいを感じますね。

○菊池寛(ひろし)さん(74)
車の運転
定年退職後、家での時間を持て余していた時にチラシを見たことがきっかけで入会しました。微力ながらも困っている人の助けや社会への貢献につながっているという充実感があります。地域とのつながりも増え、人との交流はいい刺激にもなっています。

○井上多美子(たみこ)さん(62)
体育館の掃除
退職後にやりたいことがあったので、その隙間時間を有効に使うためにシルバー人材センターに登録しています。自分の体調やスケジュールの都合に合わせて働くことができるのが魅力です。

○西宮博(ひろし)さん(74)
みかん取り
入会のきっかけは、かかりつけの病院でシルバー人材センター会員募集のポスターを見たことです。未経験の仕事をする時はとまどいもありましたが、今はみかんの収穫作業が楽しく、まだまだ続けていきたいです。