- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県新居浜市
- 広報紙名 : 市政だより「にいはま」 令和7年(2025年)7月号
■口からはじまる健康づくり
歯を失う主な原因は虫歯と歯周病です。2024年に実施した本市の成人歯周病検診では、40歳以上の54.7%が歯周病に罹患(りかん)していました。そこで、今回は歯周病について、こんどう歯科医院の近藤尚文院長に話を聞きました。
Q.市民の歯や口腔への健康意識はどのように変わっているの?
A.皆さんが歯医者に行くのはどのような時でしょうか?痛みがある時やかぶせ物が取れた時など、理由はさまざまだと思います。近年はテレビやインターネットなどで口の健康や新しい治療に関する情報が取り上げられ、予防や治療への相談が増えるなど、関心が高まっています。
Q.歯周病ってどんな病気?
A.歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が歯周病菌により徐々に破壊される病気です。初期段階では歯肉炎と呼ばれ、歯ぐきの腫れや出血などが見られます。進行すると歯周ポケットができ、細菌が侵入することで骨や繊維が破壊されていきます。
また、歯ぎしりやかみ合わせの不具合などによる過度な力も歯周病を悪化させる原因になります。
Q.歯周病が体に及ぼす影響は?
A.歯周病菌によって発生する毒素や炎症性物質が、毛細血管を通り全身に運ばれることで、心疾患、脳血管疾患、糖尿病の悪化、低体重児出産などを引き起こす危険性が高いことが分かってきました。
また、気道から気管支、肺に入ることで気管支炎、誤嚥(ごえん)性肺炎の原因となる他、肥満、メタボリックシンドロームとの関係も示唆されており、全身へと影響を及ぼす可能性があります。
Q.どの年代が歯周病に気を付けるべき?
A.歯周病は年配の病気のイメージがあるかもしれませんが、若年性歯周炎によって歯を失う場合や、子どもでも食生活、歯みがき不足、口呼吸によって慢性的な歯周炎になることがあります。どの年齢でも注意が必要です。
Q.予防のために大切なことは?
A.まずは自分の口の状態を知ることが大切です。定期的にかかりつけの歯科医・歯科衛生士の診察を受けることで、自覚症状が出にくい歯周病の治療・予防ができます。
●歯周病の進行
進行すると…全身に影響が!
・脳血管疾患
・気管支炎肺炎
・心疾患
・低体重児出産
・肥満
※詳しくは本紙をご覧ください。
●こんどう歯科医院 近藤院長からのメッセージ
虫歯がなければ口の健康は大丈夫だと思っている人もいるかと思います。しかし、虫歯はなくても歯周病になっている場合があるのです。
歯医者が苦手で受診できていない人も多いと思いますが、ぜひ今回の成人歯周病検診を機会に歯周病について知り、健康な生活につなげましょう。
●成人歯周病検診を受けてみませんか?
問診や口腔内診査を受けて口や体の健康を守りましょう。
対象:20歳(平成17年4月1日~平成18年3月31日生まれ)、30歳(平成8年3月31日以前生まれ)~74歳(受診日年齢)
※現在治療中の人を除く
日時:7月1日(火)~10月31日(金)
料金:無料(期間中1回のみ)
持参物:市民であることが分かるもの(運転免許証、マイナンバーカードなど)
場所・申込み:市内委託歯科医療機関問保健センター
【電話】35-1070
※75歳以上の人は後期高齢者歯科口腔健診が受けられます。後期高齢者医療広域連合(【電話】089-911-7739)へお申し込みください。
問合せ:保健センター
【電話】35-1070