文化 文化財

市指定文化財(絵画)
月窓公の降龍墨絵
宗真寺所蔵

宗真寺は、河辺町河都(かわと)にある曹洞宗の寺院で、慶長6年(1601)に内子の高昌寺(こうしょうじ)の末寺として現在地に建立されました。
本画は、紙本墨画(しほんぼくが)の降龍図で、雲の晴れ間に姿を見せた龍の全身が細かな筆致で描かれています。本紙の大きさは、縦128.5cm、横52.0cmで、右下の落款(らっかん)には「月窓(げっそう)」と記されています。
月窓は、大洲藩2代藩主・加藤泰興(やすおき)(1611~78)の号として知られています。
寺の伝えによると、浮穴村(現在の北平、川上、西予市野村町惣川)が大飢饉(ききん)となり、泰興はその巡視の際に宗真寺に宿泊し、後日その記念に自ら描いた本画を寺に贈ったとされています。
現在のところ、泰興の書画作品は本画が唯一であり、泰興の画業を知る上で大変貴重な作品といえます。
(昭和47年9月14日指定)