文化 むかしの道具

■たばこ盆
たばこを楽しむ道具を収める容器です。たばこは江戸時代に庶民にまで広まっていた嗜好品で、葉をきざんだ刻みたばこをキセルで吸っていました。
たばこ盆には、火種を入れる火入れ、吸い殻を捨てる灰筒(灰吹)などをひとつの器に入れるのを基本とし、刻みたばこをしまうたばこ入れなどの道具を収めることもありました。
写真は丸い形をしているたばこ盆で、火入れと灰筒をはめ込んだものになります。ほかに長方形、正方形、箱型などさまざまで、持ち運びしやすい手提げ型もありました。裕福な商家や大名などが使用した、蒔絵のような装飾の施された豪華なものもあります。
明治時代に紙巻たばこが西洋から入ってきました。大正時代には、紙巻たばこが刻みたばことキセルによる喫煙を上回るほどになり、それとともに刻みたばこの道具も使われなくなっていきました。
(※写真は本紙をご参照ください)

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