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■国際交流員 シュテファン・アイヒンガー Stefan Eichinger
◇ドイツの「5番目の季節」
ドイツには「Fasching(ファッシング)」というカーニバルのシーズンがあります。キリスト教が由来の祭りで、イースター※までの約40日間の断食期間が始まる前に、ごちそうを存分に味わい、にぎやかに過ごそうという意味が込められています。
祭りは11月11日から始まり、3月上旬ごろまで続きます。最も盛り上がるのは最後の1週間。ドイツではこの時期を「5番目の季節」と呼び、大きなパレードが各地で開かれます。町には仮装した老若男女であふれ、派手な山車も登場。山車に乗る人たちが観客に向かって、「Helau(へラウ)!」という掛け声を叫びながら菓子をまきます。町じゅうが熱気に包まれ、ドイツ人が最も陽気になる時期です。もう一つ、祭りに欠かせないのが「Krapfen(クラップフェン)」という菓子です。揚げパンの中にイチゴジャムやチョコレートが入っていて、とても甘くておいしいんですよ。
私にとってFaschingは、幼い頃からの思い出が詰まった大切な祭りです。友達と海賊の仮装をして遊んだり、まかれる菓子をたくさん集めたり、家族とKrapfenを食べたり――。仮装した大人の姿が少し怖かったことも、今は懐かしい記憶として心に残っています。
今年は日本でこの季節を迎えるので参加はできませんが、家族がどんなふうに過ごしたのか聞いてみようと思います。皆さんにもドイツの伝統的な祭り、Faschingに興味を持ってもらえるとうれしいです。

※イエス・キリストの復活を祝う祭り