- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県内子町
- 広報紙名 : 広報uchiko 2025年3月号
平成17年1月1日に旧内子・五十崎・小田の3町が合併して、今年で20年の節目を迎えました。合併当時も人口減少対策や産業振興など多くの課題がある中、内子町はまちづくりの指針となる10年間の計画「内子町総合計画」を策定し、未来に向けてまちの魅力を磨き続けてきました。現在、第3期総合計画の策定が進められており、7年4月からは新しい計画に基づくまちづくりが始まります。
今回は合併20周年を記念して2月8日に開かれたシンポジウムの様子を紹介します。開催にあたり、改めてまちを振り返り未来への課題解決のヒントにするため「内子町に住んどってよかったエピソード」を町民の皆さんに募集。寄せられた体験談を元に、幅広い世代の町民代表者が、内子町の良さを語り合いました。何気ない日常にたくさんの魅力があり、そしてそれらがまちづくりの根底にあることが見えてきます。皆さんも、自分の「住んどってよかった」を振り返ってみませんか。
シンポジウムでは町民代表者によるトークセッションを実施。「住んどってよかったエピソード」を元に、愛媛大学教授の井口梓(あずさ)さん、小野植正久(まさひさ)町長とともに、まちの魅力を語り合いました。井口先生の講演と併せて紹介します。
森山翼(つばさ)さん[下立山]
合併した平成17年1月生まれで、今年20歳を迎えた。本シンポジウムの司会を担当
■第一部 トークセッション
◇「農」を通じた多くの出会い
大程奈々絵(ななえ)さん[程内]
道の駅からりへ農産物を出荷しています。農繁期の駅は生産者とお客さんで活気に満ち、季節ごとのおいしい野菜や果物がたくさん。農業を通じて多くの出会いがあります。またデッキから眺める川のせせらぎと季節の花々は心の癒し。ゆったり過ごせる、かけがえのないお気に入りの場所です。
◇ずっと心に残る人の優しさ
和氣巧磨(たくま)さん[福岡]
周りの人の優しさに「住んでいてよかった」と感じます。中学の時の凧作りでは、和紙に竹をつけ文字を描く難しい作業を、地域の人が丁寧に教えてくれました。今、打ち込んでいるサッカーでも、部の先輩のサポートや周りの応援が温かいです。将来はそんな優しさいっぱいの地元で働きたいです。
◇地域愛にあふれたまち
西岡千代子(ちよこ)さん[小田下]
町外から内子高校小田分校に来てくれた寮生に、「おばちゃん食堂」で食事を提供しています。話を聞いた人が「これ使って」と野菜を持ってきてくれたり、遠くの幼馴染が手伝いに帰ってくれたり――。生徒たちが喜ぶのが、みんなうれしいんです。私にとっても、地域の愛情に触れる瞬間です。
◇内子座から広がる演劇文化
徳田幸治(こうじ)さん[内子10]
19歳の時、青年団で演劇に触れました。その後、町民劇団を結成して内子座の舞台を踏み、演劇を通じて人とつながり、とうとう芝居をしにアラスカまで行ってしまいました。内子座というすばらしい劇場で、生の舞台を気軽に楽しめる環境が、内子の演劇文化を広げているのだと思います。
◇内子ならではの子育てを
室岡愛(まな)さん[上川中央]
結婚を機に、東京から旦那の地元・上川地区へ。彼に「絶対に帰る」と言わせた内子で子育てをして感じるのは、地域との距離の近さ。祭りがあったり、おばあちゃんに「芋掘りしよう」と誘われたり、都会ではできない経験がいっぱい。「戻ってきたい」と言える子どもが育つまちって、すてきですね。
◇何気ない風景が僕の活力源
大西優太朗(ゆうたろう)さん[内子4]
小学生の時、JR内子駅前に広がる田んぼの風景が好きでした。住宅街になった今では地域の子どたちが登校する姿に、昔を懐かしみながら元気をもらっています。大学を卒業したら、大好きな内子町のまちづくりのために、皆さんに習いながら自分のできることを探したいと思っています。