- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県内子町
- 広報紙名 : 広報uchiko 2025年6月号
■外国語指導助手 ゴイツェオーネ・トップマン・ロバーツ Goitseone Topman Roberts
◇アフリカ出身の「江戸の殿様」
皆さんは映画で「タイムスリップして過去に迷い込む」という物語を見たことはありますか。私はつい最近「日光江戸村」を訪れ、まるで映画のような体験をしました。
そこは江戸の町を再現したテーマパークで、一歩足を踏み入れると周りの人たちはみんな当時の格好をしています。私も江戸の人になりきろうと殿様に変身。着物はずっしりと重くて、一国の主が背負う重みを感じるようでした。気品もある装いに、とても裕福になった気分で心地よかったです(笑)。町には昔ながらの木造建築が並び、車や電柱などは一つもありません。西洋文化が入る前の生活を見ていると、母国にも南アフリカの伝統的な暮らしを伝える施設があるのを思い出しました。昔は現代のようにせかせかしていなくて、ゆっくりと時間が流れている――。生活はシンプルでも、心の豊かさがあるように思います。
当時の消防方法を学べる資料館の見学では、道具や格好が今とは全く違っていて驚きました。忍者の修行が体験できる忍者屋敷では、天地が入れ替わったような構造に頭の中が大混乱。夢の中にいるようで足元がふらつき、歩くことさえ難しかったです。
日光江戸村では当時の日本人の暮らしを楽しみながら知ることができ、最高の経験になりました。もし私が本当に江戸時代に生きていたら、きっとまた殿様になってみたいと思うでしょう。