子育て 九町小学校最後の運動会

パンッ!
「走りぬけ 九町最後の 運動会」
という全校児童の大きな声と共に始まった令和7年度の九町小学校の運動会。個人的ではあるが、私は、この入り方が大好きである。スローガンにもなったこの言葉にもあるように、九町小学校は今年度で閉校となる。
私自身も今年度九町小学校に赴任したばかりで、初めての運動会であると同時に最後の運動会でもあった。体育主任として準備段階から関わり、限られた時間の中で子供たちが力を発揮できるよう競技内容や進行を整えた。当日の朝、児童の笑顔や緊張した表情を見て、胸がいっぱいになったことを今でも鮮明に覚えている。
九町小学校の運動会は、地域と学校が一体となってつくりあげる温かさが特徴だ。伝統の「きそん節」では、児童・地域の方々・教職員が一斉に扇子を手に踊り、会場全体が一体感に包まれた。初めて体験する私にとって、その光景は、九町小学校の歴史と誇りが凝縮された瞬間のように感じられた。
また、閉校記念種目として行われた「じゃんけん大会」も大いに盛り上がり、子供たちも保護者の方々も笑顔で参加していた。勝者が決まるたびに、会場が歓声に包まれ、思い出に残るひとときとなった。
閉校を迎える学校に赴任し、運動会という大きな行事を任せていただいたことは、私にとっても大きな財産となった。子供たちの真剣な姿、地域の方々の温かい支え、そして共に汗を流した教職員の思いを決して忘れない。
これまで九町小学校を支え、子供たちを育んできてくださった地域・保護者の皆様、本当にありがとうございました。最後の運動会は、まさに九町小学校らしい温かさと笑顔にあふれた一日となりました。
九町小学校 教諭 笹岡綾馬