- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県松野町
- 広報紙名 : 広報まつの 令和7年4月号
◆中央診療所を「かかりつけ医」に(令和7年3月10日更新)
この度発覚した防災安全課所属の職員の不祥事につきましては、町民の皆さまをはじめ多くの方々にご心配、ご迷惑をおかけするとともに、行政に対する信用を根本から失墜させることとなり、誠に申し訳なく衷心よりお詫び申し上げます。町長として、該当職員に対し厳正な処分を行うとともに、再発防止と信頼回復に全庁をあげて取り組んでまいります。また、私自身の管理監督責任を明らかにするため、町長給与の減額措置を講じる予定です。
さて、本町のような過疎地の小規模自治体は、税収などの自主財源に乏しく、国からの地方交付税に依存した厳しい財政運営を強いられています。このため、限られた予算を効率的に配分し、すべての事務事業について緊急性や必要性、費用対効果を検証しながら健全財政の維持に努めていますが、その中で最も頭を悩ませている問題のひとつに、中央診療所の赤字額の増大があります。人口の減少による受診者数の低下、コロナ禍の影響による受診控えに加えて、人件費や医薬品の価格高騰、施設や設備の修繕費の増加などの要因に直面していて、令和6年度の決算では、9千5百万円余りの赤字となる見込みです。この状況が改善されず、このまま毎年1億円規模の赤字補填が続くのであれば、町全体の財政に影響して他の必要な事業に予算が回らない事態が発生することになります。
中央診療所は、歯科をのぞいて町内唯一の医療機関で、町民の皆さまの健康を守るためには必要不可欠な施設であると考えています。また、高齢化が進み介護需要が増大する中で、入院の機能も維持しなければなりません。加えて、皆さまに普段から「かかりつけ医」としてご利用いただきデータを蓄積することによって、病気になった時の診察や治療が迅速的確に行えるというメリットもあります。何としても、この診療所を守っていかなければならないと決意しているところです。
このため、令和6年度と7年度の2か年をかけて、専門のコンサルタントを入れて経営悪化の原因分析と対処方法を検討することとしています。具体的には、検査・リハビリの充実、一時的な入院の受入れ等の改善案の提示も受けていて、可能なものから着手を予定しています。また、待ち時間が長いなどの問題に対しても、受診者の意見や要望を伺いながら改善しております。まだまだ成果は不十分ですが、診療所のスタッフ全員が使命感と危機感をもって「地域に愛される診療所」づくりに取り組んでまいりますので、町民の皆さまのご指導ご鞭撻、そして応援をいただければ幸いです。
何度も申しあげて恐縮ですが、松野町には絶対に必要な中央診療所であります。どうか町民の皆さまには、中央診療所を「かかりつけ医」としてご利用いただき、皆さまの健康で穏やかな生活に寄り添う役目を果たすことができますように、ご理解ご協力を何とぞお願いいたします。