子育て 人権の広場

■人権問題を解決するために大切なこと
・中学三年
私は、今まで人権について学んできた。その中で、特に印象に残っているのは、同和問題、ハンセン病元患者やその家族に対する差別、インターネット上の人権侵害だ。この三つの問題に共通するのは、どれも偏見や思い込みによって生まれた問題だということだと思う。
私は、授業で学習するまで、同和問題を全く知らなかった。初めて知ったのは中学一年生の道徳の授業で「渋染一揆」を学んだときだった。この学習を通して、出身地によって差別されている人がいること、その差別と向き合い、差別をなくそうと努力している人がいることを知った。差別をなくすことはとても大変なことかもしれない。しかし、命を懸けて家族を、子孫を守ろうと立ち上がった人たちを本当に尊敬する。私もいじめや差別があったとき、行動できる人になろうと思った。なぜなら、身近ないじめや差別をなくすことが様々な人権問題の解決に繋がると思うからだ。
ハンセン病問題については、小学校のときから学習してきている。小学生のころは自分にはあまり関係のない、どこか遠い話だと思っていた。しかし、中学生になり、より深く学習していくと、それは違うということに気付いた。それは、ここ松野町にもハンセン病を罹って、差別によって人生を変えられた方がいたからだ。また、その方の親族の方の話を直接聞いて、ハンセン病元患者やその家族の苦しみや悲しみを知ることができた。親族の方の話から、ハンセン病にかかった方は死後、遺体を解剖されたり、まるで人ではないように扱われたりしていたことを聞き、私は言葉を失った。もし、私の家族が本人や家族の承諾なしで遺体を解剖されたという事実を知ったら正気を失うと思う。けれども、その方は苦しさや辛さを乗り越え、その事実を伝えようと私たちに話してくださった。ハンセン病問題についてより多くの方に知ってもらうためだった。感謝しかない。ハンセン病元患者や、その家族への差別をなくすためには、ハンセン病問題について分かったこと、知ったこと、感じたことを自分たちから多くの人に伝えることが大切だと思う。
インターネット上の人権侵害は、私は自分専用のスマートフォンを持っていないため、あまり意識していなかった。しかし、学校での情報モラル教室を通して、ネットの怖さを知ることができた。顔が見えず、声も分からない世界中の人と繋がるということは、世界中の様々な情報を知ることができる反面、自分が犯罪に巻き込まれたり、加担してしまったりする可能性があることを知った。また、インターネット上のいじめや誹謗中傷は、人を傷つけるだけでなく、死に追い込んでしまうこともあるということを知り、自分がスマートフォンを持った際は、使い方に気を付けようと思った。
人権問題は、人が作り上げたものだから、人の手でなくすことができると思う。世界中で差別をなくすためには、一人ひとりが差別と向き合い、真剣に考えることが大切だと思う。私は今まで人権について学んできたことを私にできる方法で考えたり、伝えたりしていきたい。