くらし 地域おこし協力隊によるよそもん通信第64号

よそもん通信とは、固定概念なくまちの魅力に気付くことができる地域おこし協力隊を「よそもん」と置き換え、その活動内容を町民の方々に広く知ってもらうためのものです。

■卒業のごあいさつ エビハラ(観光振興)
仁淀川に立ち込める川霧、山から立ち上る山霧、いつ見ても美しいと感じる越知の風景です。
協力隊に着任して3年があっという間に過ぎ、4月17日をもって卒業となります。
着任した年に、NHK連続テレビ小説「らんまん」の放送が決定したことから、牧野博士の研究フィールドの横倉山に何度も登り、知る機会をいただきました。
会う人から「横倉山にいつか登りたい」という声を聞くと、町民として誇らしい気持ちになります。
3年前の私は、植物の知識がほぼゼロであり、関東では聞いたこともない「コオロギラン…??ヨコグラツクバネ…??」でしたが、繰り返し触れることで植物の知識も増えてきた気がします。
横倉山だけで、約1300種類もの植物が自生しているのは、本当にすごい山だなあと登るたびに感動します。
一方で、ジョウロウホトトギスなど、希少植物が盗掘されたり、来訪者が増えたことでコオロギランなど小さな植物が踏まれ、生息が脅かされていると聞くと、非常に悲しくなりました。
昨年7月、コオロギランの自生地へ小学生たちが中心になって、保護柵の設置に同行した際は、大切にしたい思いが伝わり、とても頼もしく、この貴重な植物の宝庫の山がこれからも守られるようにと切に願いました。
任期最後の活動として、横倉山自然の森博物館で「四国の山々たんね歩記展」を企画しました。「たんね歩記」は高知中部森林管理署にご在職の森下嘉晴さんが、長年にわたって四国の山々を歩きながら、山や森の魅力や見どころ、地域の伝承などを描写された絵地図です。
昨年のはじめ、森下さんと一緒に横倉山を登ったことを契機にご協力いただき、半年をかけて描かれた「横倉山」を中心に、ゆかりのある山々17作品を拡大してパネル展示しました。
お陰さまで、森下さんのお話し会には予想以上のたくさんの方にご来場いただき、「山について改めて考えるよい機会になりました」など多くの感想をいただきました。
任期中の活動では他に、越知町公式ユーチューブチャンネルの立ち上げ、移住者インタビューなど動画制作、コスモスまつり等イベントのスタッフとして取り組みました。
「越知町に行ったことがないよ」という人に会うと、ぜひ来てくださいとPRもしっかりさせていただいています。
最後になりましたが、移住時に右も左も分からなかった私たちを温かく迎え入れてくださり、本当に感謝しております。
皆さんとの交流を通して、越知町の豊かな自然や文化、そして何より人々の温かさに触れ、かけがえのない地域となりました。今後ともどうぞよろしくお願いします。