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- 自治体名 : 福岡県福岡市
- 広報紙名 : 福岡市政だより 令和7年9月1日号
市は現在、12万2千人を超える児童生徒に学校給食を提供しています。子どもたちの成長に欠かせない「給食」への市の取り組みを紹介します。
市は、市立の小学校146校、中学校70校、特別支援学校7校に通う子どもたちに、毎日給食を提供しています。
小学校と肢体不自由特別支援学校は各校の給食室で、中学校と知的障がい特別支援学校では市内3カ所の給食センターで調理を行います。
徹底した衛生管理の下、各校の給食時間に合わせて調理が行われます。おいしく食べてもらえるよう工夫しながら、温かいものは温かく、冷たいものは冷たいまま、子どもたちに届けられます。
主食は、ご飯が週に3回、パンが週に2回で、児童生徒が1日に必要な栄養量のおよそ3分の1を、毎日の給食で摂取できるようにしています。
また、食材には市内産の旬の農水産物等を積極的に使用し、安全性や価格、味などを審査の上、選定しています。給食室や給食センターに納品された食材は、品質や鮮度などを厳しくチェックします。
●バラエティー豊かな献立
学校給食の献立づくりは、栄養教諭が前年の夏ごろに翌年度の年間計画を立てることから始まります。
その後、月ごとの献立を半年前から検討し、学校長や栄養教諭、保護者代表、調理業務員などが話し合い、最終決定します。
子どもたちに毎日楽しく食べてもらおうと、季節を感じられる「白玉雑煮」「柏もち」などの行事食や、「ガパオライス」「チリコンカーン」といった世界の料理など、多彩なメニューを取り入れています。
小・中・特別支援学校の1カ月ごとの献立表は、市ホームページ(「福岡市 学校給食の献立表」で検索)にも掲載しています。
○小学校給食の食物アレルギー情報がLINEで届きます
市LINE(ライン)公式アカウントを友だち登録し、「受信情報」→「学校」を選択してください。
アレルギー特定原材料等28品目の中から該当するアレルゲンと配信希望時間を登録すると、小学校給食の献立やアレルゲン情報が毎日届きます。
●小学校の給食
-石丸小学校(西区)の栄養教諭・阪井裕美先生の話
お昼が近づくと、給食のおいしそうな匂いが教室まで漂ってきます。出来たての温かい給食を教室に運んで、配膳し、みんなで食べて、使った食器を戻す―。小学校での6年間、そんな一連の流れを毎日繰り返すことで、食の大切さや、作ってくれた人への感謝の気持ちが育まれていくのだと思います。
私たち栄養教諭は、各校で給食の管理や「食べること」に関する指導を行っています。苦手なものが多かった子どもが楽しそうに食べている姿を見たり、「おいしかったよ」と報告してくれたりすると、成長を感じてうれしくなります。
○安全性への配慮
食中毒を防ぐため、給食では原則、生の食材は提供しません。野菜なども85度以上で1分以上加熱します。ただし、ミカンやイチゴなどの果物やミニトマトは流水で十分に洗浄できるため、衛生面を考慮の上、生で提供しています。
また、食物アレルギーのある児童に対しては、「卵」「マヨネーズ」「ごま」「ごま油」の4種を除いて提供するなど、個別対応を行っています。
○楽しい給食
いろいろな食文化を知ってもらおうと、毎年テーマを決め、それに沿った献立を月に1度提供しています。今年度のテーマは「郷土料理」で、子どもたちは山口県の「チキンチキンごぼう」、沖縄県の「ゴーヤチャンプルー」などをおいしそうに食べていました。
食材は「地産地消」にこだわり、「姪浜のり」や「能古島の甘夏ゼリー」なども提供しています。毎日の献立を子どもたちはとても楽しみにしてくれていて、最近は食べ残しもほとんどなくなってきました。
「レバーとだいずの揚げ煮」も人気メニューの一つです。これをきっかけにレバーが食べられるようになったという話もよく聞きます。給食で出るレバー料理は、作り方を尋ねられることも多いです。
子どもたちが健やかに成長していけるよう、これからも子どもたちの声をしっかり聞き、安全で、安心な給食作りに生かしていきたいと思います。
▽「給食室探検」を行いました
夏休み直前の給食がない日に1年生を給食室に招待して、毎年「給食室探検」を行っています。この1日限りの体験が、給食室の仕事を子どもたちに身近に感じてもらういい機会になっています。