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志賀海神社にもあった「力石」

「歩・歩・歩(さんぽ)・会」
城戸 重臣

「力石」とは、「力試しにかかえあげる石。神社の境内などに置かれる」と広辞苑に記載されています。その由来は、神霊が宿る石を持ち上げることにより、豊凶・天候・武運などの神意を伺う石占(いしうら)の信仰にさかのぼるといわれています。
市内では、博多区の櫛田神社にある有名力士の力石がよく知られていますが、志賀島の志賀海神社にも力石があります。
志賀海神社の力石は、右側面に「芥屋町三右衛門」と名前が書かれています。これは芥屋町(現博多区奈良屋町)に仮の網屋を作った、志摩郡芥屋浦(現志摩町)の漁人の中の一人、三右衛門がこの力石を持ち上げたことによるものと伝えられています。なぜ、ここにあるのかは分かりませんが、漁業を生業とした三右衛門が海上安全や豊漁祈願、またそのお礼参り、力比べの記念として奉納したものと考えられています。

俳人の千々和恵美子氏は、この力石を題材に次の俳句を詠んでいます。
「春時雨 いよよ動かぬ 力石」「力石 いま月光に 浮き上る」