- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県福岡市東区
- 広報紙名 : 福岡市政だより 東区版 令和7年6月15日号
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郭沫若(かくまつじゃく)先生の顕彰碑
「歩・歩・歩(さんぽ)・会」
奥永 茂晴
九州大学病院キャンパスの九州大学医学図書館の前に平成20(2008)年、郭沫若の入学90周年を記念して、高さ2mの顕彰碑が建立されました。
郭沫若は中国、四川省楽山市生まれの中国現代文学の開拓者の一人で、他に歴史研究、政治活動、書家として幅広く活躍した知識人です。中華人民共和国の政務院副総理で中国科学院院長を勤め、親日家で日中友好にも努めました。
彼は大正7(1918)年に九州帝国大学医学部に入学し、大正12年に卒業しました。その間、妻子とともに箱崎網屋町に暮らし、妻は日本人で3人の子どもがいたとされています。その後、家族を残して中国に帰国しましたが、再び日本に亡命し、千葉県市川市で10年間の亡命生活を送りました。昭和12(1937)年には、盧溝橋事件の勃発により、家族と離れ、一人中国に帰国します。
昭和30(1955)年に中国科学院訪日学術視察団団長として三度目の来日をし、考古学者の中山平次郎博士ら多くの人と交流しました。九州大学医学部で講演を行い、その時の記念に揮毫(きごう)(毛筆で文字や絵をかくこと)した扁額(へんがく)(横に長い額)を残しました。
九州大学病院キャンパスには、久保記念館や長塚節(たかし)の歌碑など歴史を感じる場所が点在しています。キャンパスを歩いて激動の歴史を感じてみませんか。