しごと 【特集】行橋の農を護り継ぐ者たち(1)

■“わがまま”はこだわりの証
夏バテや熱中症・・・夏はお祭りやレジャーなど楽しいことが盛りだくさんな反面、夏特有の健康リスクに注意が必要です。夏野菜は、水分やカリウムを多く含み、体の熱をクールダウンする効果があり、熱中症対策に役立つため、積極的に食卓に取り入れたい食材です。また、夏バテで元気が出ない日も、鮮やかな彩りが食欲を刺激します。
これまでこのクローズアップのコーナーでは、様々な農家の方を紹介してきました。今回は、この季節にぴったりな夏野菜を栽培する2組の農家を特集。みずみずしい新鮮な夏野菜と、太陽のように眩しい生産者の笑顔にご注目ください。

赤く、キラリと宝石のように輝くミニトマトを栽培しているのは、田中智勇(ともお)さん(43歳)、五月(さつき)さん(39歳)夫妻。智勇さんが主体の「田中智勇農園(通称:トモファーム)」と、五月さんブランドの「かっぱの畑」(いずれも天生田)では、年間を通して10種類以上の様々な野菜を栽培しています。中でも、その美しさからひときわ目を惹くのが、『わがままトマト』と名付けられたミニトマトです。栽培が難しい品種で、日によって甘さが変わることや食べた人が「もっと食べたい!」とわがままになってしまうというのが名前の由来です。非常に果皮が薄く繊細なトマトで、糖度が高く味が濃いという特徴を出すために、土づくりをしっかり行い、肥料や水やりに細心の注意が必要です。『わがまま』は、何より品種や栽培方法など、ふたりの『こだわりの証』です。

◇二人三脚で収穫の喜びを分かち合う
きゅうりが主体の夏場のハウスは、なんと約45度まで気温が上昇します。とても大変な作業ですが、やりがいについて伺いました。
「暑さはもちろん大変です。さらにこの時期は、豪雨や台風など災害が心配です。農業はそういった苦労や心配が多いですが、自分たちの作った野菜を美味しいと言ってもらえることが何よりも喜びを感じる瞬間です。最初はひとりで始めたこの農園も、今では妻と二人三脚で経営しています。励まし合い、収穫の喜びを分かち合えることが、とてもやりがいとなっています。」と智勇さん。続けて五月さんも、「収穫が追いつかず、巨大化したきゅうりを見つけたときは、思わず大変だなと感じてしまいます。それでも、商品を出荷中に『美味しくてまた買いに来たよ』と声をかけてもらうことに、何よりも幸せを感じています。」と笑顔を見せてくれました。

◇人が集い、笑顔あふれる農園に
最後に、今後の展望について伺いました。
「『昔の家族』を思い起こさせるような、人が集まる農園にしたいです。気の合う仲間たちとここで楽しく野菜を作るのも理想ですが、収穫体験ができる農園もいいですね」。
今後ふたりがめざすのは、人が集まり笑顔があふれる農園でした。ここ行橋で、多くの人が土に触れ、収穫の喜びを感じることができるミライに期待です。

・暑さが苦手なわがままトマトは、10月以降に出てきます!もうしばらくお待ちください。
・出荷状況やお得情報はストーリーズでCheck!(本紙2次元コード参照)
・田中夫妻おすすめの食べ方は「生」!スイートコーンもぜひ生のまま味わってみてほしいとのこと。これからの時期は、きゅうりがたくさん店頭に並びます。
・京築恵みの郷ゆくはし店やルミエール苅田店で、田中夫妻の野菜を購入できます。このシールが目印です!