- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県みやま市
- 広報紙名 : 広報みやま 2025年9月号
■名取(なとり)恭(ちか)さん
今年の4月、「fenix鍼灸」をオープンした名取さん。以前は本市の地域おこし協力隊として活動し、さまざまなイベントに携わりながら地域を盛り上げてきた。協力隊の任期を終えた今は、市内で鍼灸師として新たな一歩を踏み出している。
◇地元から飛び出し、未踏の地へ
山梨県出身の名取さんは、地元の接骨院で働く中で、出会いや刺激の少なさを感じていた。「さまざまな経験を通じて、人間としての幅を広げたい」という思いから、全く知り合いがいない場所での挑戦を決意。みやま市で「地域おこし協力隊」としての活動を始めた。
地域おこし協力隊としてイベントを企画・開催していく中で、徐々に友人や知人の輪が広がっていったと語る名取さん。現在、鍼灸院を開業しているのも、協力隊時代に開催したマルシェで市民の方に言われた言葉がきっかけだったという。
「『うちに余ってる施術用ベッドがあるから使わない?』と声をかけてくださった方がいたんです。ベッドをいただいたことで、『もらったからにはやるしかない』と思い、鍼灸師として活動することを決めました。あの時の出会いがなければ、今の自分はいなかったと思います。」
◇一人ひとりに寄り添いながら
名取さんが心がけていることは、「一人ひとりとしっかり向き合う」こと。自身が施術を行うことで、お客さんの悩みが解決し、その人の生活がよりよいものになることがやりがいに繋がっているという。
「お客さんが、体調が悪い時だけでなく、心が疲れた時に『話を聞いてほしい』と来てくださった時、とてもうれしかったことを覚えています。『施術師とお客さん』という関係を超えて、友人やご近所さんのような距離感でいられる鍼灸師を目指したいです。」
地域おこし協力隊での活動や交流で生まれた人との繋がりが、現在の活動へと続いていると語る名取さん。
「今の活動があるのは、みやま市の地域の方々のおかげです。今後も、一人ひとりに寄り添い、その方の心と体の健康の手助けになれるように頑張っていきます。」