- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県那珂川市
- 広報紙名 : 広報なかがわ 2024年12月号
◆story(3)就労継続支援A型事業所 株式会社クックチャム マイシャンスで働くプロフェッショナル
就労継続支援A型事業所は、障がいや難病のある人が一定の支援やサポートがある職場で働くことができる障害福祉サービス事業所です。
◇一人ひとり それぞれのステップアップ・キャリアアップを一緒に喜べることが一番うれしい
仕事で一番楽しいことは?
・時間通りに作業が進んだとき
・唐揚げ用の肉のカット作業がたのしい
・できなかったことが出来るようになったとき
これから頑張ってみたいことや挑戦したいことは?
・数を間違えないようにがんばりたい
・苦手な春巻き作業ができるようになりたい
・形のきれいなコロッケを作れるようになりたい
将来の夢や目標は?
・親会社で働くこと
・一般就労をすること
・ロサンゼルスのパラリンピック(水泳)に出場したい
・たくさん旅行にいきたい
◇那珂川市で就労支援を行っている株式会社クックチャムマイシャンスのサービス管理責任者で社会福祉士の小嶋 恵子(こじま けいこ)さんにお話を伺いました。
・事業所の立ち上げから働いてきて
事業所が那珂川市にできた立ち上げ時から、働いています。たくさんの方とお仕事をしてきましたが、メンバーの一人一人が自分の幸せや目標を見つけてくれることが、一番うれしいです。
事業所のメンバーとして仕事をしていた方が、一般就労を希望して親会社であるお総菜とお弁当のお店「クック・チャム」の社員になりました。また、別の方は最初メンバーとして就業しましたが、メンバーを助けながら仕事を続ける働き方にシフトチェンジしたいと、支援員になり、自分のキャリア目標を実現しています。
ここでの就労で、自信を持ったり、自分のやりたいことや目標をかなえてくれたりと「一人一人が自分の道を見つけサポートができることが、とてもうれしくもあり「やりがい」でもあります。
・メンバーの成長をみんなで見守る
働いている方の多くが、知的障がいのある方です。特別支援学校の職場体験実習で当事業所に来て、実際に働いてみて、ここで仕事をしたいと思って働いている方が多いです。
実習を経たからといってすぐに社会人になれるわけではありません。
職場に来るために初めて一人でバスに乗る方もいれば、一人で通勤することが初めての方もいます。バスの乗車方法が分からなくて困っている時、乗客に助けられたという話を聞きました。地域の皆さんに支えられ、みんな社会人として成長しています。
・毎日の仕事
メンバー全員が自分の作業を稼働表で確認しながら進めています。得意な作業が増えていくと、作業時間が短縮されたり、ミスがなくなったりと、作業の効率化が図れます。メンバー一人一人が、得意な作業を増やすことや、ミスをなくすための確認強化など、それぞれの目標をもって仕事をしています。稼働表は、ふりがなを付けたり目で見て分かりやすいように私も工夫しています。メンバー全員が、稼働表を見て自分の得意な作業や好きな作業だと喜んでいます。
・プロとしてのプライド
チェック時に「数が足りなかった」など、ミスが発見されると、ミスのカバー作業後、今回のミスが起こった理由を確認し、その改善策を自分たちで考えてもらっています。
どんな時も「お客様が食べるものを作っている」というプライドをもって作業をしています。
お惣菜の路面店を展開する「クック・チャム」の店舗で、クックチャムマイシャンスで製造したミンチカツやギョーザ、コロッケなどを販売しています。
店舗の案内はこちら
※二次元コードは本紙をご覧ください。
◆取材を終えて
凛星ちゃんと憲子さんからは、柔らかくて温かいまなざしと前向きなパワーをたくさんいただきました。
村上さん親子からは、周りの方への深い「思いやり」と「感謝」をもって接していらっしゃるお話をたくさん聞かせていただき、心がとても温かくなりました。
クックチャムマイシャンスの小嶋さんからは、細かい配慮を自然にされる姿に「スペシャリスト」を感じました。メンバーの皆さんは、私が作業場にお邪魔すると、満面の笑顔であいさつをしてくださり、一転、仕事に対する姿は真剣そのものの「プロフェッショナル」。皆さんが真摯に仕事に向き合う姿に感銘を受けました。
掲載内容は、取材で伺ったお話のほんの一部です。今回の取材で、「話しを聞く」と「相手を知ることができる」と実感しました。
自分から話しかけるのが得意な人もいれば苦手な人もいます。仕事が早い人もいれば遅い人もいます。だからこそ「気張らないサポート」が大切じゃないかなと。肩の力を抜いた自然体のサポートを心がけてみませんか。
人が困っていれば助ける。「伝える」ことが難しいならば「伝わる」方法を考える。自分本位ではなく相手の気持ちになる。障がいのあるなしに関わらず、人が人と関わり合いながら生きていくための大切な心です。
この特集をお読みいただいた皆さんが障がいについて知り、考えていただけること。そして、自分に何ができるかみんなで何ができるかを考えるきっかけにしていただけることを心から願っています。
問い合わせ:
障がい者支援に関する問い合わせ…障がい者支援課【電話】953-2211(内線132~134)
記事に関する問い合わせ…人事秘書課 秘書広報担当【電話】953-2211(内線214・215)