- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県広川町
- 広報紙名 : 広報ひろかわ (令和7年10月1日号)
■広川町にある巨樹・珍樹 その14~下広川小学校のシンボル樹~
○クロガネモチ(モチノキ科)
樹高 約7.0メートル
幹周 1.8メートル
推定樹齢 約200年
下広川小学校の校庭の一隅に、石人のレプリカと並んでいる古木です。もともとは正面玄関(東向き)を中心に、東西に3棟の校舎が並んでいた時代に、玄関に続く大廊下の南側の第1棟と第2棟の間にあったことを記憶しています。
その後に改修や増築などが行われ、最終的には鉄筋2階建校舎が新築(昭和40年2月竣工)された時に、現在地に移植された経緯があります。
下広川小学校は令和5年度に、創立150周年を迎えましたが、当該樹はまさしく同校の歴史を見守ってきたシンボル樹といえるのです。
樹齢は約200年と推定されていますが、移植段階でもすでに古木だったことから、移植に伴うダメージは非常に大きなものでした。一時は枯死も覚悟されていましたが、現在ではかなりの回復が認められています。
樹木も生き物ですから、いつの日にか枯死することは、覚悟しなければなりません。しかし、学校周辺に植えられている樹木には、それぞれに歴史が伴っていることも事実です。人が代わり、時が移ると、その樹木がどうして植えられたのかを知る人がいなくなってしまうのも、自然の流れでしょう。
下広川小学校でも、そのような事例がありました。ある日通りかかった人が、自分たちが卒業記念に植えたメタセコイアとイチョウが無残に伐採されたことに気づき、学校に連絡して尋ねると、校長以下だれ1人も、そのような樹木であったことを、知らなかったとのことでした。
このクロガネモチは老木といえども、下広川小学校ではセンダンと並ぶシンボル樹です。いつまでも元気に生きてほしいと願うばかりです。
■広川町古墳資料館だより
古墳からは金属製の刀や鏃(やじり)、耳輪・馬具などが出土します。
これらの遺物はそのままでは錆(さび)が進行し、元の形がわからなくなるほど腐食し劣化するため、未然に防ぐ保存処理(樹脂をしみ込ませるなど)を九州歴史資料館で行っています。
現在、広川町古墳資料館で常設展示していた鬼塚古墳から出土した大刀(たち)を保存処理中です。