しごと 地元に愛されたパン工房 閉店and継承へ

「野の花会」会長 道壽子(みちかずこ)さん

▽お母さん”たちが焼き続けた温もりの味
長年にわたり、赤村特産物センター併設の加工所で手作りのパンを製造・販売してきた「野の花会」パン工房。村のお母さん”たちの手で営まれてきた工房は、メンバーの高齢化もあり、3月末をもって25年の歴史に幕を下ろすことになりました。

Q 「野の花会」の由来は?
「道会長に聞きたい!」
もともとは住民センター内の調理場で、パンやジャム、漬物、まんじゅうなどを作る、農産加工のグループとして活動していました。そのメンバー14人でパンづくりを専門に「野の花会」を結成。平成14年から加工所(特産物センター併設)での販売を始めました。
会の名前は、踏まれても花を咲かせる野の花のように、大変なことがあっても、何度でも立ち上がろう、という気持ちを込めています。

Q 人気のパンは何ですか?
「食パン」「ちくわパン」「小倉(おぐら)パン」「ウグイスパン」「シナモンパン」などが特に人気です。飽きがこないように49種のパンを用意していて、毎朝300個ほどのパンを焼いています。「流行り」も考えていて、新商品のアンパンにバターを混ぜた「アンバターパン」や、コーヒーを加えたほろ苦の「アンコーヒーパン」もよく売れています。8時30分の開店に間に合わせるために、朝3時台から集まって皆でがんばっています。

Q 楽しいことやうれしかったことは?
「おいしかったよ」の声が何よりもうれしいです。飯塚や行橋、北九州からも「パンを買いたい!」と来てくれる常連さんも。「来週行くので、売り切れないように予約したいんですが…」と電話を受けることもあります。
奥さんが特産物センターで野菜を吟味しつつ、旦那さんがパンをほおばりながら外で待っている…そんな様子を目にすると、仕事もはかどります。

〇パン工房は次の世代へ
4月からは「野の花会」に代わり、地域おこし協力隊が同じ場所でパン工房を開業します。かじを取るのは道さんのもとで3年間修業を積んだ木原寿歌(きはらすみか)隊員。お母さん”たちの味わいは、次の世代へと受け継がれていきます。
木原隊員