子育て わたしたちとアサリの3年間
- 1/35
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県築上町
- 広報紙名 : 広報ちくじょう 2025年5月号(246号)
近年、アサリの資源量は全国的に減っており、国産アサリは貴重な存在となりつつあります。築上町の特産品として愛されてきた「椎田アサリ」も例外ではなく、収穫量の減少が目立っています。
9年ほど前から産業課と漁協が一丸となり、椎田アサリを守るための「椎田アサリ資源回復プロジェクト」に取り組んできました。活動が発展していき、現在は地元の小学生にプロジェクトを伝える授業も始まっています。座学だけではなく、実際に干潟に出て、アサリを守る活動を体験しながら学ぶことで、シビックプライド(地域への誇りと愛着)が育まれることも期待しています。
この授業は椎田小学校で令和4年から開始して、丸3年をむかえました。当時4年生だった児童が初めて取り組み、3年間にわたり、継続して活動をしました。現在、中学校1年生の学年が小学校4年生〜6年生のときに行った椎田アサリの資源回復の取組をご紹介します。
■椎田アサリの育て方と増える仕組み
1
↓
2
↓
3
網目より大きく育ったアサリは外に出ていかない。
↓
4
袋の中でアサリが育つことで、そのアサリが母貝となり、産卵し、干潟にもアサリが増える。
※詳しくは本紙をご覧ください。
■1年目
◇砂利袋の設置
令和4年10月実施 4年生時の取組
・アサリの生態を学ぶ
海の仕組みを知り、育つ生物やアサリの生態を学びました。実際にアサリに触れ、収穫する大きさを知るなどにぎやかな授業となりました。
・砂利袋を作成
協力して袋の中に砂利を詰め込み、結束バンドで止める作業を行い、約100袋の砂利袋が完成しました。
・海に砂利袋を並べる
作った砂利袋を干潮時に並べました。
■2年目
◇砂利袋の観察
令和5年10月実施 5年生時の取組
アサリ以外の築上町の漁業について学びました。町の漁師が普段どのような漁法で漁をしているのか、どんな種類の魚が取れるのか勉強しました。
4年生のときに設置した砂利袋の観察を行いました。一度袋を開けて、箱に中身を広げ、どんな生物がいるか観察しました。小指の爪くらいのアサリをたくさん確認することができました。
■3年目
◇アサリの収穫
令和6年10月実施 6年生時の取組
漁師さんと一緒に砂利袋からアサリを収穫しました。袋を開けて、中身をふるいにかけ、アサリと砂利の選別をします。約20kg収穫できました。3cm未満の小さいアサリは、また来年収穫できるように砂利と袋に戻し、再度海に設置しました。収穫したアサリは、漁師さんが海に垂下して、旬の春まで大事に育ててくれました。
◇アサリを調理
令和7年3月実施 6年生時の取組
秋に収穫したアサリを使って、調理実習を行いました。砂ぬきの方法を学び、中身が空の貝、すでに死んでいる貝を除く選別作業をしました。酒蒸しとバター焼きを作っておいしくいただきました。