- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県佐賀市
- 広報紙名 : 市報さが 令和7年9月1日号
◆#5 環境にやさしい日本の伝統的な建築物
これまで、佐賀市の伝統建築物をいくつか鑑賞してきましたが、私が特に気に入っているのが神野公園の隔林亭です。隔林亭では、池のある庭園を眺めながら涼を感じつつお茶を楽しむことができます。こうしたところに、日本の伝統的な建築が持つ美しさや工夫が表れていると思います。
私は、日本の伝統建築物は単に美しいだけではなく、とても実用的だと感じています。例えば、湿気を吸収する畳や日差しを和らげる障子などは、真夏の湿気を調整し、快適な室内環境を生み出します。地球温暖化が進む現在、こうした工夫の重要性はますます高まっています。
地球温暖化対策の一つとして、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の推進があります。ZEBとは快適な室内環境を保ちながら、建物が消費するエネルギーを実質ゼロにすることを目指しています。
ZEB化のための省エネを実現する技術には、断熱性の高い屋根・外壁・床や高効率的な空調機器などがあり、こうした工夫は日射を遮り、自然換気を促すことで、エネルギー需要を減らします。考えてみれば、ZEB化は、日本の伝統建築の知恵とは、それほどかけ離れていないのではないでしょうか。
ニコラス ベレズ