文化 郷土の文化財

■サワラ〜伊万里市の天然記念物シリーズ(6)〜

昭和56年に市天然記念物に指定されたサワラは、黒川町横野地区の公民館前に所在しています。樹齢は推定では500年以上といわれていて、樹高は約20・5メートル、目通り幹回りは約2・5メートル、枝の広がりは東西10・5メートル、南北約12メートルで、県内随一の大きさです。
サワラは、ヒノキ科に属する常緑高木で、ヒノキにとてもよく似ていますが、サワラの特徴は葉先の一つ一つがとがっているところです。また、耐水性に富み、香りが強くないことから、かつては桶や襖、障子などに多く使用されていましたが、ヒノキに比べて成長に時間がかかることや、桶などの需要が減ったことなどから現在ではめったに栽培されていません。
市では、もともとサワラは自生していないため珍しく、学術上の価値が高い樹木です。地元の伝承によれば『岸岳城落城の後、落武者の一人が寺を建て、その庭にサワラを植えて大切にしていた。その後に寺は無くなったが、当時の人たちはこのサワラを神の宿る木と信じ、信仰していた』と伝えられています。
また、サワラ付近の湧き水がある池は『寺の川』と呼ばれ、現在もその面影が残されています。

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