文化 郷土の文化財

■国史跡大川内鍋島窯跡調査事業
〜日峯社下窯跡(にっぽうしゃしたかまあと)の調査速報〜

市教育委員会は、大川内山にある国史跡大川内鍋島窯跡の整備を進めるため、指定地域にある日峯社下窯跡の発掘を行っていて、令和6年度においても調査を行いました。
調査の結果、窯跡の中央付近にある第7焼成室の西側に位置する作業通路と物原(ものはら)(失敗品の廃棄場)を確認しました。
作業通路は、人の行き来によって地面が踏みしめられ硬く締まった層となっていて、物原の端に沿うような場所に位置していました。また、通路は窯を築いた造成土のすぐ上を粘土質の土で整地がされていて、窯が作られた直後から使われていたと思われます。
整地された層は複数確認されていることから、通路の西側にある物原の堆積とともに何度も整地され、通路として長期間使われていたと考えられます。しかし、最終的には、物原が大きく広がり、この通路を埋めてしまったと推測されます。
明暦3年(1657年)の大火で被災した江戸城から初期の鍋島焼が出土していますが、それに類似する製品が物原から出土しました。

問合先:生涯学習課文化財係
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