- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県有田町
- 広報紙名 : 広報有田 2025年10月号
7月14日に満96歳で逝去された白磁の重要無形文化財保持者(人間国宝)で名誉町民の井上萬二さんの追悼式が、9月9日に焱の博記念堂で行われました。町と有田陶芸協会が合同で主催し、町内外から約500人が参列、生前の功績をたたえ、故人の冥福を祈りました。
追悼式委員長の松尾町長は、「あなたは日本の陶芸界にとって、また私たち有田町民にとってもかけがえのない存在でした。これからも有田焼のさらなる発展を目指して行きます。天国から見守ってください」と語り、有田陶芸協会会長で同じく人間国宝の第十四代今泉今右衛門さんは、「井上先生の作品は、独自の質感を持つ白磁として評価を受けられました。これまでさまざまなことをご指導いただきありがとうございました。安らかにお休みください」と追悼の言葉を述べました。
喪主の井上祐希さんは、「祖父は、良い作品を作るには雑念があってはならないという名陶無雑の信念のもと、過去の後悔も未来への不安も手放し、今を大切に生きていました。これからも祖父の教えを胸に、作家としても、人としても、今に真摯に向き合い、精一杯精進してまいります」と話されました。
※「萬二」の「萬」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。