- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県大村市
- 広報紙名 : 広報おおむら 2025年5月号(No.1549)
◆虫歯の原因になる3つの要素
おおむらまつだ歯科 院長 松田 直毅先生
虫歯は成人の約9割以上が経験している疾患であり、多くの人が悩んでいる病気のひとつではないでしょうか。今回は虫歯の原因となる3つの要素を紹介します。
その3つとは、虫歯の原因となる菌の数が唾液中にどれくらいいるか、虫歯ができる原因の糖分がどれくらいあるか、そして歯がどれだけ虫歯で穴が開きやすいかです。
虫歯の原因になる菌にはいくつか種類があり、ミュータンス菌(虫歯菌)もそのひとつです。これらの菌は糖分をもとに歯を溶かします。
唾液の中にいる虫歯菌の数を検査したり、歯の表面についた汚れを染め出しして磨き残しにどれだけ色がつくかによっても表面についている細菌の量が分かります。
虫歯菌の数は個人差もありますが、治療により虫歯の数を減らすこと、また家庭でブラッシングにより磨き残しを除去していること、歯科医院にてメンテナンスを行っていることなどにより、菌数を減らすことも可能です。
糖分に関する要素ですが、ひとつは糖分を多く含む甘いものをどれだけ摂取しているかということと、虫歯のできやすさには飲食回数が大きく関わってきます。
食べ物を食べると虫歯菌が反応し、酸が生み出されお口の中は酸性になり、歯が溶けていきます。30分ほど経つと酸性になったお口の中が唾液の作用により中性に戻り、歯が溶けていくことはなくなります。これがものを食べるごとに起こるので、食事や糖分が含まれる飲み物を摂取する回数が1日何回かによって虫歯のできやすさは変わります。
歯の穴の開きやすさは体質的なものに加え、虫歯予防の薬剤であるフッ素の使用で歯を強くすることができます。また、唾液には歯を強くし虫歯になりかけた歯の部分の修復を行う機能があるので、唾液の分泌量がどれだけ多いかによっても虫歯のできやすさは変わります。
よって、虫歯の治療を行い菌数を減らすこと、フッ素をできるだけ使用し、効果を最大限にすること、間食を減らすこと、自宅で歯をしっかり磨くとともに定期的なメンテナンスをすることが、虫歯を減らすために重要です。