文化 わがまち再発見『文化財のみかた』第10回

■SDGsな縄文人
骨角器とは、動物の骨や角、牙や貝などを加工して製作された狩猟や漁労用の道具や装飾品のことで、主に縄文時代(約13,000年前~約3,000年前)の遺跡から出土します。前回紹介した貝塚や低湿地帯などの有機物が分解されにくい土壌で確認されています。
骨角器の素材として多用されているものはシカやイノシシの骨です。縄文人は骨や牙、角の特性を熟知しており、特に、まっすぐで長い脚の骨は、銛(もり)などの長い道具に加工され、骨より頑丈な牙や角は、水に強いため釣針などの小型漁労具に加工されました。また、貝類は腕輪に加工したものや、小さい穴を空け、ネックレスのように使ったとされる装飾品が多く出土しています。
対馬で出土している骨角器の多くが銛や釣針といった漁労具であるため、縄文時代から漁業を生業としていたことがうかがい知れます。
貝塚で出土する動物の骨は破片が多く、ほとんどの骨に加工痕が見られ、捕獲した動物を骨まで余すことなく活用していたことが分かります。こうした縄文時代の、資源を大切にする精神を現代の私たちも見習うべきかもしれません。

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