くらし 私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

■五島市に暮らすいろんな人のオススメ本を紹介するコーナー
私が選ぶとっておきの一冊ーRecommended Bookー

▼15冊目
ソラジオパーソナリティー 山内そら
東京都小金井市出身。ラジオをやりたいと思うようになったのは中学生の頃です。福山雅治さんがパーソナリティを務める番組が中学生の僕にはたまらなく面白かったことを覚えています。実際にラジオを始めるきっかけになったのは、知人からの「やりたいならやればいい」という言葉です。本当に何気ない言葉ですが、僕の中で何かスイッチが押されたような瞬間でした。
五島への移住は6年前。ニュージーランドでワーキングホリデーをする資金を貯めるため仕事を探しているときに、母の知人から五島で行う新規プロジェクトを紹介されました。本当は半年ほどの滞在予定でしたが、いつの間にかこんなに時間が経っています。島の外から来た僕を温かく迎えてくださった方々、お世話になった方々のためにも、僕もリスナーも心の底から楽しめる、そんなラジオを届けていきます。

○山内さんのとっておき
約2年前、膝の怪我で手術と入院をすることになった際に島の古本「本処てるてる」の店主さんに入院生活用の本を選書していただき、この本と出会いました。なんとなく自分の現在地が分からない時や漠然とした停滞感がある時など、繰り返し読みたくなる一冊です。

○10年後、ともに会いに
寺井暁子/著(クルミド出版)
「あなたは今、誰に会いに行きたいですか?」
本書の帯に書かれている一文です。高校卒業から10年が経ち、27歳となった著者の寺井暁子さんは「とも」を訪ねて世界を旅します。ヨーロッパや北米などを経て、旅は揺れ動く中東へと続いていきます。
20代後半という微妙な時期で、かつての同級生は何を思いどんなことをして生きているのか。それぞれの価値観が入り交じる中、寺井さんの言動や行動からは人間くささが見え隠れし、読者である僕たちにもほんの少し勇気を与えてくれます。
世界は広いけどちゃんと繋がっていて、どこの国でも人は人で、同じように悩み葛藤して生きている。現在の目も当てられないような世界情勢の中においても、一読の価値がある一冊だと思います。

こちらの本は市立図書館で借りられます。