くらし つなごう未来へ! 島原半島ユネスコ世界ジオパーク

■『戦時遺構』旧道を走るトンネルの秘密
千々石町から小浜町へ向かう橘湾沿いの道(県道201号)を進むと、トンネルが見えてきます。トンネルに入り、およそ15メートル進んだところで右側の内壁に目を向けると、ある“違和感”に気付くかもしれません。他と比べ壁の一部が滑らかで、まるで補修されたように見えるのです。なぜこの場所だけ様子が異なるのでしょうか?その謎を解く手がかりはトンネルの外にありました。
トンネルの外側に出てみると、約5メートルの「横穴」が確認できます。これは、第二次世界大戦中に掘られたものです。当時、この場所に砲台を設置するため、トンネル内から穴が掘られました。ここの岩盤は、約26万年前に噴出した猿葉山(さるばざん)の硬い溶岩でできており、掘削作業は困難を極めました。先人たちは、少しでも作業を進めやすくするために、岩盤の亀裂に沿って横穴を掘り進めた形跡が今も残っています。戦後、この横穴は使われなくなり、トンネル内部の開口部も塞がれて、現在見られるような滑らかな“補修壁”として残されたのです。
普段は気にも留めないトンネルの一角。しかしその壁一枚の奥には、戦時中の記憶と硬い溶岩の掘削に挑んだ先人の痕跡が静かに息づいています。今年で戦後80年、時の流れを感じさせられる場所です。

■第72回 ジオ空(ぞら)教室(子ども向け)
夏休みのわくわく体験!~サップとアクセサリー作りで海について学ぼう~
島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を、その道のプロが毎回たのしく紹介します。ふるってご参加ください!

日時:8月24日(日)午前10時~午後1時(受付:午前9時30分~)
※当日の天候や潮の状況により内容が変更になる場合があります。
場所:加津佐前浜海水浴場B and G海洋センター(加津佐町)
内容:ジオパークの見どころをサップ体験しながら専門員の解説付きで見学します。海のごみ拾いをした後、ワークショップを行います。
※小学4年生未満の人は、保護者と2人乗りサップとなります。
持参品:ゴーグル、着替え、タオル、帽子
※事前に水着に着替えてからお越しください。
協力:加津佐B and G海洋センター艇庫 南島原市B and G海洋センター指導者会
定員:10人(先着順) ※18歳未満の人は、保護者同伴
料金:無料
応募締切:8月18日(月)
申込方法:電話または必要事項(氏名、住所、性別、生年月日、電話番号)を記載の上、Eメールで申し込んでください。

問合せ:島原半島ジオパーク協議会
【電話】0957-65-5540【E-mail】[email protected]