健康 健康一口メモ 467号

◆「かゆい病気というのは何だろう?」
山川医院 山川耕平

夏に入り汗をかき、湿疹や虫刺されなどで皮膚のかゆみが出てくる季節となりました。そこで皆さん「かゆい」病気について色々と学んでかゆさを抑えていける様に頑張っていきましょう。
最初にかゆみを起こす病気は大きく2つに分けられます。一つは皮膚に明らかな症状がみられるものとして湿疹・アトピー・虫刺され・水虫などの病気、もう一つは皮膚に明らかな症状がないものとして糖尿病や透析の影響、癌や血液の病気、神経や精神の病気など様々なものがあります、そのためかゆみが出た時はしっかりと病気を確認する事が最初の一歩となります。
次にかゆみとどう付き合っていくかですが、大元の病気があるならそれを治療していきます。かゆみについては最初は乾燥に対する保湿剤(皆さんがよく知ってるワセリン等)と病院から処方される軟膏を使い、改善に乏しい場合は漢方薬や皮膚科での紫外線治療を行います。それでも改善しない場合は精神科で安定剤を使用するのが最近の主流となっています。皮膚のかゆみには様々な原因があり、検査・治療をしっかりする事が求められます。
最後にお薬以外で皮膚に何ができるかという事でスキンケアについて述べます。
まずは皮膚を清潔にするため可能な限り毎日の入浴、シャワーを行う事。汗や汚れは速やかに落とすがこすりすぎないようにしましょう。
石鹼・シャンプーを使用する時は洗浄力の強いものは避けつつ、それが残らないように十分にすすいで、かゆみを生じるほどの高い温度の湯は避けて入浴後のほてりを感じさせる沐浴剤・入浴剤は避けましょう。(皮膚に強い刺激を与えない入浴である事)清拭する時はナイロンタオルや硬めのタオルの使用を控えること、その他・室内を清潔にし、適温・適湿を保って新しい肌着は使用前に水洗いして洗剤は十分にすすぎ落とす事、爪を短く切り、なるべく掻かないようにする事(手袋や包帯をしてみるのもよいかもしれません)で少しはかゆみを抑えてくれるかもしれません。
皮膚のかゆみは生活していく上で厄介な症状の一つです。病気によっては症状が完全になくならない事もあります。そのような時はかかりつけ医に相談して下さい。より良い方法を一緒に考えていきましょう。