- 発行日 :
- 自治体名 : 熊本県人吉市
- 広報紙名 : 広報ひとよし 2025年6月号 No.1190
令和2年7月豪雨から間もなく5年。今年も梅雨などで降水量が増え、川の増水が起こりやすい時季を迎えます。災害は決して他人事ではなく、日頃から備えておくことで被害を少なくすることができます。
自分と大切な人の安全のために、できることから備えを始めましょう。
災害から命を守るために必要な備えとは。熊本地震と令和2年7月豪雨を経験し、県の最前線で復旧活動に従事した経験がある田口さんに、災害への備えについて話を聞きました。
災害に円滑に対応するためには、「事前の備え」と「想像(イメージ)」が大切です。令和2年7月豪雨では、予測を超える降雨で甚大な被害が発生。人吉地域は孤立し、通信網も途絶える事態となりました。
この経験から、発災後数日間は外部からの応援(物資、救助)が難しいため、自力で初動対応するための備えが必須だと強く感じています。個人生活のための物資の備蓄は不可欠です。個人的な取り組みとして、長期間の断水を想定した水(飲み水、トイレ用)を数十リットル単位で備蓄しています。保存期間が長い食料を買っておくのもいいかもしれません。
また、散歩がてら避難経路の確認や避難をイメージするようにしています。こういったことが、もしもの備えにつながります。防災は行政だけでなく、個人、事業所レベルで取り組み、早めの行動と備えで命を守ることが必要です。
(熊本県県南広域本部 球磨地域振興局長 田口 雄一さん)
■非常用品を備える
いざ避難するとき、何をどれだけ持っていくか、とっさに判断するのは難しいものです。非常用品は日頃から用意しておきましょう。
◆避難時に持ち出すもの!非常持ち出し品
これだけは最低限用意し、すぐに持ち出せるようにしておきましょう。
◇非常持ち出し品の例
○貴重品
・現金
・預金通帳
・印鑑
・健康保険証・免許証など
・マイナンバーカード
○避難用具
・懐中電灯
・携帯ラジオ
・予備の乾電池
・ヘルメット・防災ずきん
○非常用食品
・長期保存食(乾パン・缶詰など)
・あめ・チョコレートなど
・飲料水
・栄養補助食品
○必要に応じて
・眼鏡
・コンタクトレンズ保存液
・粉ミルク
・紙おむつ
・使い捨てカイロ
○生活用品
・マッチ・ろうそく
・ナイフ
・タオル
・ウエットティッシュ
・マスク
・携帯用トイレ
・生理用品
・厚手の手袋
・毛布
・体温計
・携帯電話・充電器
○衣料品
・下着・靴下
・長袖・長ズボン
・防寒用ジャケット・雨具
○救急用品
・お薬手帳
・常備薬
・ばんそうこう・消毒液
「非常持ち出し品」は両手が使えるリュックサックなどに入れておくと便利。食料品などは日常利用分を少し多めに購入しておく「ローリングストック(日常備蓄)」がお勧めです。賞味期限切れの水はトイレ用の水に使えますよ!(防災課 那須 愛里)
◆家に備えておくもの!備蓄品
救助が届くまでの数日間(最低3日間)を生活できるように準備しておくものです。
◇備蓄品の例
○生活用品
・給水用ポリタンク
・カセットコンロ
・ティッシュペーパー・ウエットティッシュ
・ラップフィルム
・紙皿・紙コップ・割り箸
・簡易トイレ
・水不要のシャンプー
・ビニール袋
・ロープ・工具セット
・ほうき・ちりとり
・長靴
○食料品
・レトルト食品(ごはん・おかゆなど)
・インスタント食品
・飲料水
◆ローリングストック(日常備蓄)
ローリングストックとは、普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限が古いものから食べて、食べたら買い足すことで、常に一定量の食料を家庭で備蓄しておく方法です。特別な非常食を用意する必要はなく、レトルト食品など食べ慣れた物を非常時に食べることができ、備蓄品の賞味期限切れや食べ忘れによる廃棄を防ぐことができます。
問合せ:市防災課防災係
【電話】22-2111(内線3242)
■緑の流域治水
◆あなたの庭がまちの治水に貢献!
令和2年7月豪雨で大きな被害を受けた球磨川流域では、自然環境との共生を図りながら流域全体の総合力で安全・安心を実現する「緑の流域治水」に取り組んでいます。取り組みの一つに雨庭(あめにわ)があります。雨庭をつくることでさまざまな効果が期待できます。
雨庭とは…屋根や道路などに降った雨水を水路や河川に直接放流せず、一時的に貯留したり、地下浸透させたりするための庭や空間のこと
○雨庭の効果
・雨水の流出抑制
・地下浸透の促進
・生物多様性の保護 など
◆雨庭をつくる人に補助金を支給します
市では、雨庭を新しくつくりたい人を対象に補助金を支給します。受給資格など詳しくは市ホームページをご覧ください。
問合せ:市防災課防災係
【電話】22-2111(内線3241)