くらし 『このミステリーがすごい』大賞文庫グランプリ受賞 作家 香坂鮪さん

デビュー作『どうせそろそろ死ぬんだし』が『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞

4月28日、玉名市出身の香こうさか坂鮪まぐろさんが市長を表敬訪問。執筆されたミステリー小説『どうせそろそろ死ぬんだし(宝島社文庫)』や香坂さんご自身についてインタビューしました。

●プロフィール
香坂鮪さん(34歳)、玉名市出身、玉名高校卒業。現在は大阪府在住で、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、本作でデビュー。

■受賞した今の気持ちを教えてください
昔から書くことが好きで、新聞に文章を投稿したり作品を書いたりしていましたが、あと一歩のところで賞を逃していました。20歳のころから小説を書き始め、途中他のことに専念する時期もありましたが、合計で10年程度は書いていると思います。今回は受賞できてホッとしているのと同時に、プロ作家として活動することに身の引き締まる思いです。

■作家になろうと思ったきっかけは。
中学1年生のときに、近所に図書館がオープンしたので通っていました。多いときは1日に2回行っていました。午前に10冊借りて5冊読んで、午後に読んだ5冊を返して新しい5冊を借りてと繰り返していました。最初は漫画を多く読んでいましたが、ある日お勧めの小説を紹介するガイドブックに出会い、一番最初に読んだのが島田荘司(しまだそうじ)さんの『占星術殺人事件』というミステリー小説でした。そこでミステリーというジャンルの面白さに気付いて、今に至ります。今まで書いた小説のジャンルもミステリーです。

■幼少期はどんな子どもでしたか
小さいころは本を読むことより、絵を描くことが好きでした。外遊びも好きで、活発だったように思います。母方の祖父のことが大好きでおじいちゃん子でした。祖父はトマト農家をしていたので、収穫を手伝ったりトマトを食べさせてもらったりしていました。あと相撲の稽古も。
クラブ活動はソフトテニスをしていて、その他にも自転車に乗ることも好きでした。今では走ることが趣味になっていて、マラソン大会に出場しています。来年は玉名いだてんマラソン大会にも挑戦して自己記録を更新できるように頑張りたいです。

■アイデアが出るのはどんなときですか。
静かな環境が好きなので、基本的には家にいるときが多いです。散歩しながらの場合もあります。医療関係に勤めているので、仕事関連で使えることはないかと考えることもあります。

■ペンネーム「香坂鮪」の由来を教えてください。
じっとしていられない性格で、仕事から帰って家でも休憩することなく、小説を書いたり筋トレなどをしたりして過ごしているため、妻に「泳ぎ続けるマグロみたいだね」と言われたのが由来です。「香坂」は画数など調べて「鮪」と相性のいいものを選びました。

■最後に読者へのメッセージを。
専門用語が出てきて内容が難しいと思いますが、読んでくださる皆さまにはエンターテインメントとして楽しんでいただければと思っています。わざと分かりにくく書いた部分があるので、想像力を広げて読んでいただければうれしいです。
現在、新しい作品を構想中ですので、ぜひ本屋などで見かけたら読んでみてください。
読書や執筆の基礎は玉名で育つ中で培いました。これからも玉名に恩返しできるよう、精進いたします。

◆宝島社文庫『どうせそろそろ死ぬんだし』!2025年第23回『このミステリーがすごい大賞文庫グランプリ受賞作
余命宣告された人々が集まる山荘で起きた、ある一人の突然死。自然死か殺人か――。超新星の二度読み必至「館」ミステリー!

◇あらすじ
探偵業を営む七隈は、余命宣告された人々が集う交流会のゲストとして、助手の律と共に山奥の別荘に招かれた。二人は交流会の参加者と食事をし、親交を深める。しかし翌朝、参加者の一人が不審な死を遂げる。自然死か殺人か。殺人であれば、余命わずかな人間をなぜわざわざ殺したのか。七隈たちは死因の調査を始め――。やがて明かされる驚愕の真相とは?