文化 《守り継がれる》無形民俗文化財(10)

■住吉日吉神社神楽
住吉日吉神社神楽が奉納される住吉日吉神社は、泗水町北住吉に所在します。
この神社は第56代桓武(かんむ)天皇の代に、坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)蝦夷征討の成功を祈願するため延暦21(802)年、近江国滋賀郡に鎮座している日吉山王21社を勧請したのが始まりといわれています。
奉納される神楽の構成は、奉剣・次剣・榊・御幣・弓・四剣・神宣歌・実印の8座からなり、日吉神社大祭の12月18日に奉納が行われています。
記録によると、「明治39年(1906)上住吉在住の青年有志13名により神楽を拝受することとなれど、その名は・・・」と発足当時に神楽を習い始めた人の名が記されています。発足当時の指導者として、住吉日吉神社の坂本経安(さかもとつねやす)宮司(考古学者坂本経堯(つねたか)氏の父)、補佐を旭志の湯舟神楽の人たちが務めました。
発足の際は衣装・太鼓・笛・鈴・剣など、多くの費用を要しましたが、借入金や有志の寄付などで賄い、後日、神楽組の人たちの積立金によって返済したといわれています。記録には衣装は女子青年団の奉仕で完成したと記されています。
当初は上住吉区の神楽組のみで運営していましたが、昭和46年に神楽保存会を組織し、現在まで運営に当たっています。

問い合わせ先:文化課
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