くらし 月刊市長室 Now(なう)!

■これからのまちづくりと「シビックプライド」(前編)
皆さんは「シビックプライド」という言葉をご存知でしょうか?
地方自治体や地域などにおいて、まちづくりを進めていく上でのキーワードとしてよく使われている言葉です。
「郷土愛」という言葉に似ていますので、混同されている方もいるかもしれませんが、2つの言葉はニュアンスが異なります。

▽言葉の意味
「シビックプライド」…特定の地域に誇りを持ち、その地域をより良くするために貢献しようとする自負心
「郷土愛」…生まれ育った地域(故郷)に対する愛着

「郷土愛」は自分が生まれ育った地域が対象になりますが、「シビックプライド」は生まれ育った地域のみならず「移住先」や「関心がある地域」も対象になっている点に大きな違いがあります。さらには、「郷土愛」が単なる感情であるのに対し、「シビックプライド」は当事者意識を持って特定の地域に貢献しようとする心意気が含まれます。
「シビックプライド」がまちづくりのキーワードとして注目されている理由は、「シビックプライド」を醸成することで、ほとんどの地方自治体が抱えている人口減少や少子高齢化の急速な進行などの課題を抑制することができると期待されているからです。
一般的に「シビックプライド」の高さと定住率は比例関係にあると言われています。例えば、地域住民の「シビックプライド」を高めることができれば、若者が進学や就職などの理由で都市部へ流出することを減らすことができたり、一度地域を離れてしまった住民が再び戻ってきたりといった効果が考えられます。
ほかにも、地域の活性化、移住・定住の促進、住民による情報発信の活発化、関係人口・交流人口の増加などさまざまな効果が見込まれます。
全国の地方自治体において、「シビックプライド」の形成や醸成を推進するための取組が実践されているのはそのためです。
本市においても、今後さらなる「シビックプライド」の醸成に努めてまいりたいと考えています。
まずは、皆さまにとって「シビックプライド」を考えるきっかけとなれば幸いです。