くらし 地域おこし協力隊 通信

厨子圭介(ずしけいすけ)さん

■先進地における気象変動対策
2024年は極端な干ばつや豪雨、高温という異常気象に見舞われ、県内で農作物の収量にさまざまな減収が生じました。私の田んぼや畑は、春の長雨にやられて80%以上減収。このような異常気象は単発的ではなく、今後も頻度と強度が増加する可能性が十分にあります。
農水省は、気候変動適応計画を平成27年に策定し、計画に「気候変動への適応対策は必要」と記しています。そこで、私が視察した農家が行った対策を紹介します。次の事例が皆さんの栽培のヒントになればうれしいです。

(1)通路に緑肥(りょくひ)を散布し、保水性と排水性を改善(山都町:サトイモ)
干ばつ後のゲリラ豪雨でイモが割れ、収量が例年の半分以下になった。しかし、通路に緑肥「マルチムギワイド」を播種することで、根が地中深くに入り排水性や保水性を確保。例年通りの収穫量(3t/10a)を維持した。

(2)自家製酢酸カルシウム散布で高温時の着果維持(八代市:トマト)
8月から10月の猛暑の影響で、トマト着果不良が生じ、収穫量が減少。しかし、自家製の酢酸カルシウムを散布することで高温対策(気孔の開閉を制御)ができ、ことしは過去最高収量に迫る勢い。